【つなぐプロジェクト】日本語学習と文化交流の場「日越ひだまりカフェ」を開催(共催:ベトナム八尾流交流会、後援:八尾市、八尾市教育委員会)
日常生活において、外国にルーツを持つ人たちと言葉を交わしたり、交流したりする機会は、どれくらいあるでしょうか。同じ地域に暮らしていても、普段の生活の中で実際に接点を持つ機会はそう多くはないのかもしれません。
令和7年7月1日から令和8年3月31日にかけて、八尾モラロジー事務所主催による「~ことばでつなぐ~日越ひだまりカフェ」が実施されました。毎月の最終土曜日に、大阪府八尾市内にある町の集会所を会場として開催され、日本人とベトナム人が日本語学習やお互いの文化に触れ合いながら親睦を深めました。期間中には、のべ117名が参加し、地域に新たな交流の場が生まれました。(共催:ベトナム八尾流交流会、後援:八尾市、八尾市教育委員会)
※【つなぐプロジェクト】とは、100周年記念事業の一環で、当財団に設置を承認された地方組織が全国各地の行政機関やNPO法人、企業等と連携・協働し地域社会に貢献するプロジェクトです。
交流から生まれた「日越ひだまりカフェ」
きっかけは、子供たちと日本の魅力を紹介する活動に取り組む中で、市内在住の外国人へインタビューを行うため、八尾市国際交流センターを訪れたことでした。
この出会いを通じてセンターとのつながりが生まれ、当財団が発行する「心を育てるかるた」や外国語版『ニューモラル』を紹介したことから、『ニューモラル』のベトナム語版を日本語学習や文化交流に活用できないかという話へと発展しました。八尾市では外国人住民の中でベトナム人が最も多く、地域では「ベトナム八尾流交流会」が、日本人とベトナム人との文化交流活動を行っています。
こうしたつながりをきっかけに、同交流会との協働によって「日越ひだまりカフェ」が誕生しました。「ひだまり」には、誰もが温かく安心して過ごせる場所にしたいという願いが込められています。
「おやつ」と「かるた」で広がるつながり
参加者は歓談を交えながら、毎月発行される『ニューモラル』ベトナム語対訳版を活用して、日本語を学びました。途中には、ベトナム人の参加者が用意した手作りのおやつを囲む時間もあり、自然と会話が弾みました。これをきっかけにベトナム料理に興味を持つ日本人参加者も見られました。会の最後には、「心を育てるかるた」を使った”かるた大会”を実施。家族で参加する中、子供たちが主役となり、会場は笑顔あふれる温かな雰囲気に包まれ、「ひだまり」のような交流の場となっています。
活動を通して見えてきたのは、ベトナム人参加者が求めていたのは、机に向かって日本語の文法を学ぶことだけではなく、日本人との会話を気軽に親しむ機会だったということです。何気ない会話や一緒に過ごす時間が、日本語に親しむ機会となるとともに、地域の人同士がつながる場にもなっています。
お互いに学び合うひと時
学びがあったのは、ベトナム人参加者だけではありません。日本人ボランティアにとっても、ベトナムの食文化や言葉に触れる貴重な機会となりました。中には、日々の生活の中にベトナム語の学習を取り入れたり、ベトナム料理を味わう機会が増えた人もいます。
また、『ニューモラル』を読む機会も生まれ、参加者同士で内容について語り合う場面も見られました。ベトナムでは、親孝行や年長者を敬う文化が大切にされており、そうした価値観について言葉を交わす中で、お互いの文化や考え方への理解を深める機会となっています。
地域に広がる交流の輪
参加者を募るため、ベトナム人が働く企業へのPRや市内の公共施設へのチラシ設置、人材派遣会社への協力依頼など、様々な方法で呼びかけを行ってきました。その結果、人づてによる紹介を通じて参加者の輪が少しずつ広がっています。
この活動を通じて、八尾モラロジー事務所は、日本語を学ぶ場であると同時に、外国にルーツを持つ人たちが安心して過ごせる居場所づくりの大切さを改めて実感しています。文化や価値観の違いから、時にすれ違いが生まれることもありますが、顔を合わせ、言葉を交わし、少しずつ関係を築いていく。そうした地道な交流の積み重ねが、互いを理解し合える地域づくりにつながっています。
月2回開催へ——次の一歩
今後はさらに多くの人に参加してもらえるよう、両団体のスタッフ間で会場や時間帯、プログラム内容の見直しが進められています。
八尾モラロジー事務所では、参加者の学習意欲に応えるとともに、居場所としての機能をさらに充実させるため、令和8年度から月2回開催しています。
当財団は今後も、言葉やお互いの文化の違いを超えて人と人がつながる「互敬」の心を大切にし、共に学び合える場づくりや活動をこれからも支えてまいります。