【速報】創立100周年記念事業「道経一体 経済・経営シンポジウム in 大阪」を開催
モラロジー道徳教育財団は、創立100周年記念事業の一環として、9月19日(土)、大阪市北区中之島の大阪市中央公会堂にて、「道経一体 経済・経営シンポジウム in 大阪」を開催しました。(共催:一般社団法人日本道経会、麗澤大学/協力:大阪商工会議所/後援:産経新聞社)
本シンポジウムは、昨年9月の「道経一体 国際シンポジウム in 台湾」、本年1月の「道経一体 経済・経営シンポジウム in 東京」に続く第3弾で、「『三方よし』が現代に問いかけるもの」をテーマに開催。当日は企業経営者や経営幹部など約550名が参加しました。
開会にあたり、廣池幹堂理事長が主催者挨拶を行い、創立者・廣池千九郎が昭和6年9月、ここ大阪の地で「道徳による経済界の立て直し」をテーマに講演を行ったことを紹介しました。当時は満州事変勃発の直後、昭和恐慌の最中にあり、この講演が関西実業界で大きな反響を呼んだことに触れました。その上で、AIをはじめとする科学技術が急速に進展する現代において、「高度な科学技術を正しく使いこなすためにも、ますます高い人間性を身につける必要がある」と指摘。創立100周年の節目に「道経一体」「三方よし」「品性資本」の意義を改めて問い直し、“人づくりによる国づくり”と“次世代への継承”に取り組んでいく決意を語りました。
基調講演では、ロボット研究の第一人者であり、2025大阪・関西万博でテーマ事業プロデューサーも務めた石黒浩氏(大阪大学大学院基礎工学研究科教授、AVITA株式会社 代表取締役社長)が登壇し、「人間アバター共生社会――未来の事業モデルと経済への新たな可能性」と題して講演を行いました。
石黒氏は、自身がプロデュースした万博パビリオン「いのちの未来」での事例や最新のアバター研究を紹介。遠隔医療や教育、就労支援などへの活用事例を示し、アバター技術によって「生身の体から来る差別を無くし、誰もが認め合い、つながり、共に生きる、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と尊重)の社会が実現できる」と説明しました。また、人口減少などの社会課題への対応や、技術による人間の可能性の拡張について紹介し、参加者は熱心に耳を傾けました。
続いて行われた「三方よしアワード 表彰式」では、日本道経会、麗澤大学、当財団の3法人連携事業として、自分よし・相手よし・第三者よしの精神を基に倫理的で持続可能な経営を実践する企業3社に対して表彰が行われました。
審査の総評を述べた近藤明人氏(日本道経会理事・麗澤大学経営学部長)は、業績の高さのみならず、「ステークホルダーへの誠実な実践」「人間本位の経営」「財務の健全性」「ウェルビーイングへの貢献」の4指標に基づき、道徳と経済、利他と利益をいかに調和させているかを重視したと説明。「それぞれの理念を日々の経営の中で実践し、長い時間をかけて信用・信頼を築いてきた姿は、まさに人を生かし、世を益する経営の実践である」と称え、続いて、受賞した各社に表彰状と記念トロフィーが授与されました。
三方よしグローバル賞:株式会社イシダ(登壇者:執行役員・岩﨑佳生氏)
創業130年を超え、世界の食のインフラを支える技術で100カ国以上から信頼を集める同社。「三方よし」の精神を世界中の社員にまで浸透させ、持続可能な社会の実現に寄与している点が高く評価されました。岩﨑氏は「全世界の社員が『三方よし』を心に浸透させ行動に移してきた結果だと感謝している。今後もこの賞に恥じぬよう全社一丸となって一層精進したい」と感謝を伝えました。
三方よし地域貢献賞:株式会社たねや(登壇者:代表取締役社長・山本昌仁氏)
近江商人の「三方よし」の精神と「自然に学ぶ」を理念とし、年間400万人が訪れる「ラコリーナ近江八幡」や琵琶湖畔の新店舗「LAGO大津」などを通じて、伝統と自然を未来へつむぐ環境再生型のサステナブル経営が高く評価されました。山本氏は「地域があったからこそ今がある。喜びと感謝を胸に、これからも自然に学び、地域環境と調和したお菓子づくりに邁進したい」と抱負を述べました。
三方よし人づくり賞:株式会社関ケ原製作所(登壇者:代表取締役社長・矢橋英明氏)
「限りなく人間ひろばを求めて」を理念に掲げ、オーダーメイドの超大型・超高精度のものづくりを展開。「学び舎」「技術村」「文化村」などの活動を通じて全人格的な人づくりを実践している点が高く評価されました。矢橋氏は「『会社はみんなのもの』という創業の精神を受け継ぎ、『社員の幸せ』を第一としてオンリーワンの技術で社会に貢献し、100年企業を目指したい」と決意を語りました。
続いて行われたパネルディスカッションでは、ジャトー㈱執行役員の上野信子氏がコーディネーターを務め、受賞企業の山本昌仁氏(㈱たねや社長)、矢橋英明氏(㈱関ケ原製作所社長)に加え、㈱ダイキョープラザ代表取締役社長の杉慎一郎氏の3名がパネリストとして登壇しました。
「女性活躍」「人づくり」「未来へ向けて」などをテーマに、多様な人材の個性を生かす経営、権限委譲を通じた全員主役の企業経営、顧客の喜びを自らの喜びとする道経一体の店舗づくりなど、各社の具体的な実践事例が紹介されました。テクノロジーが急速に進化する現代だからこそ、「人間本位の経営の大切さ」が実例をもとに示され、熱のこもった議論に会場からは大きな拍手が送られました。
最後に、閉会挨拶として創立100周年記念委員会の廣池慶一委員長が登壇。「『三方よし』はこれからの時代にもなくてはならない実践の知恵であり、今後も多くの皆様にご支援とご協力をいただきながら、先人から受け継いできたバトンを次の100年へとつないでいきたい」と感謝と抱負を語り、本シンポジウムは盛況のうちに幕を閉じました。
終了後には懇親会も開催され、登壇者と参加者による活発な交流や意見交換が行われました。












