道徳教育研究会(江戸川会場)を開催 120名が参加

 8月24日(日)、江戸川総合文化センター(東京都江戸川区)において、当財団の第62回道徳教育研究会(江戸川会場)を開催しました。「人は人の間で人として育つ」をテーマに、現職の教職員や教育関係者など約120名が参加しました。(後援:文部科学省、東京都教育委員会、江戸川区)

 初めに斉藤猛・江戸川区長より来賓挨拶があり、地域の教育環境や子供たちの成長には「人と人との温かいつながり」が欠かせず、道徳教育がその基盤となることを強調されました。

 続いて、多田正見・江戸川区前区長による講話「戦後80年、今、伝えておきたい事」が行われました。ご自身の戦争体験をもとに、戦争の記憶を次世代へと語り継ぐ大切さを訴えられ、平和の尊さや人と人とのつながりの大切さについて語られました。

 その後の実践発表では、3名の現職の小学校・幼稚園の教員が登壇。命の尊さを考える授業の取り組み、子供の安心感を育てる実践、心の成長を重視した学級経営など、日々の教育実践を紹介しました。いずれも「人は人の間で人として育つ」というテーマに根ざした発表であり、参加者に多くの示唆を与える内容となりました。

 最後に、中山理・麗澤大学大学院特別教授(前学長)による講演「ウェルビーイングを高める人間教育」が行われました。中山先生は、ポジティブ心理学などの近年の国際的な研究結果を踏まえ、持続的な幸福(ウェルビーイング)を育む教育の意義を解説されました。特に、法学博士・廣池千九郎の言葉を引用し、物質的豊かさと精神的価値を調和させる教育の重要性を強調しました。感謝の心が幸福感を高めることを科学的にも示しつつ、道徳教育が次世代を育む要となることを力強く語られました。

 今回の研究会は、戦争体験の継承、教育現場での実践、学術的理論という3つの視点から、人と人との関わりの中で人が成長することの意味を改めて考える機会となりました。