当法人がめざすもの

憲章

人類は、長い歴史を経て、人間尊重の思想を発達させるとともに、豊かな科学技術文明を築き、その恩恵を享受してきた。しかし一方では、地球規模の環境破壊、民族や宗教の対立、精神の荒廃など、人類の存亡にかかわる危機に直面している。

人類の危機を打開するには、利己心の克服と道徳心の向上を基調とする、新たな秩序と価値観の確立が不可欠である。その根本原理は、東西の諸聖人が身をもって示した正義と慈悲の調和する高い道徳にあり、それは自然の法則に一致し、人類の歴史を貫く真理である。

廣池千九郎は、その道徳原理を最高道徳と名づけ、実践の方法と効果を明らかにするために、総合人間学としての新科学モラロジーを創建した。当財団は創立者の遺志を継承し、新たな人類文明の礎となる倫理道徳の研究と教育活動を展開して、人類の生存・発達・安心・平和・幸福の実現をめざすものである。

モラロジーの創建

法学博士・廣池千九郎

人間は長い歴史の中で、人間尊重の考えと豊かな文明を築いてきました。しかし一方で、環境破壊、民族や宗教の対立、心の荒廃など、まさに地球規模の危機に直面しています。廣池千九郎は、これらを解決するためには私たち一人ひとりが自分中心の考え方を止めて、道徳心を高めていくしか方法はないと考えました。そこで人類の師と言われる東西の諸聖人に共通する質の高い道徳に注目し、それを最高道徳と名づけました。そして質の高い道徳の実行とその効果を明らかにするために研究と実証を積み重ね、大正15年(1926)、新しい学問として「モラロジー」を提唱しました。

研究の領域

モラロジーは、日本はもとより世界の倫理道徳の研究をはじめ、人間、社会、自然のあらゆる領域を考察し、人間がよりよく生きるための指針を探求し提示することを目的とした総合人間学です。

個人から社会へ

一般に「道徳」は、行為の形式や方法が注目されがちです。モラロジーでは、行為はもちろん大切にしますが、それ以上に行為のもとになる心づかい(心のあり方・考え方)を重視しています。そして、生きがいと喜びに満ちた人生を築くためには、心づかいを重視する質の高い道徳(最高道徳)の実行によって、日々の“心づかいと行い”を改善し、自己の「品性」の向上に努めることが大切であると考えています。こうして人間一人ひとりが高い品性を培い、その心づかいを家庭や職場、さらに社会、国家へと漸次に普及していくことによって、真に心豊かで平和な世界の実現をめざしています。

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