石川真理子講師
6月22日の公開教養講話は、紫陽花の咲くキャンパスに、作家で武家女性研究家の石川真理子講師を迎えて開催されました。
『女子の武士道』や『武士の子育て』(共に致知出版社)などの著作を多数出版されている石川講師の今回の演題は「鎌倉武士はフェミニスト?! ~武士道が培った女性に優しい国」。石川講師はまず、日本は古来、女性が抑圧される「男尊女卑」の歴史だったとする一般的な見方に対し、歴史をつぶさに検証すると、むしろ日本は男女がそれぞれの役割を担いながら二千年の歴史を紡いできた「男尊女尊」の国であると指摘。日本で初めての武家が政治をつかさどった鎌倉時代の武士たちも、女性を虐げるどころか尊び、常に配慮していた歴史を、武家社会のルールとして制定された「御成敗式目」を資料としてひもときました。
そのうえで石川講師は、そうした女性を尊ぶ武士道精神は、聖徳太子の「十七条憲法」が道徳的訓戒となって育まれたものと述べ、一例として武士が自身亡き後のために残した家訓の中でも最古とされる、北条重時の家訓を紹介。
「前から女性がやってきたら道を譲れ」
「わが家へ帰るときは事前に帰宅することを連絡するように」
そうした家訓が残された背景には、か弱い女性を守ることこそ理想のあり方とする武士道精神があったことを強調しました。
凛とした着物姿で演壇に立ち続けられた石川講師。今も日本女性が、世界的に見て「やさしい」とされるのは、先人たちが培ってきた精神性を受け継いできたからこそであると締めくくられました。
凛とした着物姿で演壇に
満席の会場
講演後にはサイン会も