高橋 史朗

髙橋史朗146 – 国連が注目する「四則和算」と京都学派の哲学を継承する「哲理数学」

髙橋史朗

モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所 教授

麗澤大学 特別教授

 

 

 東大大学院道徳感情数理工学講座の光吉みつよし俊二しゅんじ特任准教授から、「依頼されていたウェルビーイングの数式が完成し、好奇心が対立を解消することも数理で示すことができた」との報告があり、「絶対の共通性」と「相対の多様性」を区別した「通信と支配の歴史で日本が果たすべき役割」と題する67枚のパワポ資料(noteの拙稿連載12月12日~15日、参照)と関係YouTube情報が送られてきた。

 光吉が発明した「四則和算」は、5月に国連本部で開催された「第8回国連SDGs科学技術イノベーション(STI)フォーラム」において、持続可能な開発(SDGs)につながる核心的な科学技術であると発表され公認された。国連が日本独自の「四則和算」がSDGsの中核的な科学技術につながることを求めたことは極めて注目される。

 微分積分の理解が理系と文系の分水嶺になっているが、切算・動算・重算・裏算の「四則和算」を教えることによって、小学校高学年で微分積分を男女差なく理解できるようになり、この日本独自の和算教育を小学校や学習塾、灘高校で実践する先駆的取り組みが始まっている。

 「四則和算」を研究する若手研究者も東大と京大で広がっており、東大在学中に5年ぶりに博士号(心理学)を取得した「四則和算」最初の教え子が空手道でも内弟子になり、「武道・心理学研究」へと進み、医学部在学中で「四則和算」の医学研究寄付講座を立ち上げた異色の学生ベンチャーの雄は「量学情報医療研究」へと進んでいる。

 また、京都大学在学中の学生を中心に「四則和算」研究グループを作り、数学の根底を和算で刷新しようという挑戦が始まり、「四則和算」が京大の「哲理数学」として発展し、西田幾多郎が創始した<京都学派>の哲学が求めてきた世界観を数理として研究する画期的な試みが検討されているという。

 京都大学が新たに設置を検討している「哲理数学」研究の目的は、四則和算は西田哲学が求める世界観を継承しているが、それに捉われることなく、哲学にも大きな影響を与えているAIにもう一つ新しい潮流を哲理をもってAE人工自我(AE:Artificial Ego)として日本から世界に提案することにあるという。

 「重算」「裏算」で解釈すると、善と悪は公平になり、絶対的なイデオロギーを捨て、政治を超えるシステム、絶対的な支配者を捨て、宗教を超えるモラルが生まれ、アメリカの真似ではない『和算』がモノマネAIを陳腐化させ、日本が世界をAIから数学のチカラで救うことになるという。

 モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所の共同研究「ウェルビーイング教育研究会」(代表は筆者)で講演していただいた東大大学院「道徳感情数理工学」講座の中心人物であるてい雄一ゆういち教授と光吉俊二特任准教授の「道徳工学」研究と、「京都学派」の哲学を継承する「哲理数学」研究が連携し、道徳とAI 、SDGsやウェルビーイングとの関係について、工学的アプローチと道徳科学の視点から、「道徳感情」と「哲理」の数理的研究として深められることは、画期的意義を有すると思われる。

 同研究会で講演していただいた田中朋清ともきよ権宮司と「鎮守の森自然エネルギーコミュニティ構想」の共同研究をしておられる京都大学人と社会の未来研究院の内田由紀子院長と廣井良典よしのり教授にも加わってもらって、百周年記念シンポジウムを開催したいと念願している。

 

 

●「情の理」論の「哲理」と「数理」の究明

 京大大学院文学研究科哲学専修の出口康夫教授が4カ月前に出版した『京大哲学講義 AI親友論』(詳しくは11月18日付note拙稿参照)と東大大学院の前述した両教授の問題意識には共通点があり、東大と京大で学生に最も人気のある授業として有名な先生方に若手の研究者が加わり、東大大学院教育学研究科教授で同発達保育実践政策学センター長の遠藤利彦氏が博士号を取得した『「情の理」論――情動の機能性と法則性をめぐる心理学的研究』の「哲理」と「数理」がさらに深められることが期待される。

 また、「幸福学」の第一人者である前野隆司慶應義塾大学大学院教授・ウェルビーイングリサーチセンター長の説く「幸福のメカニズム」と合致すると前野教授自身が認めた鄭雄一教授の「道徳工学」の視点からアプローチする「道徳のメカニズム」と「哲理数学」との関係も解明する必要がある。

 光吉から送られてきた「ウェルビーイングの数式が完成した」という膨大なパワポ資料には多くの専門用語が登場し、一般の読者には極めて難解な内容であるが、できるだけわかりやすく伝える努力をしたい。

 光吉によれば、AE人工自我がヒトの道徳的価値を深化させる教師となり、物質や貨幣文明に対して、更に進化した共感経済世界を「拡張リーマンモデル及び光吉球理論」からの創発を利用して実現させることになった。リーマン球面にあるメビウスの輪はつながっているのだから、金銭的な存在は「絶対矛盾的自己同一(西田幾多郎)」であるという。

 「矛盾的自己同一」とは、矛盾や対立をなくすことにおいて同一になるのではなく、むしろ逆に矛盾を徹底的に先鋭ならしめて、否定をバネにして非連続的に連続することを意味する。自らの存在をあるがままの相において把握しようとする「存在の論理」に徹するならば、必然的に自己の主体的な気づきの深まりの論理である「自覚の論理」へと進み、“見性”というすべての仏教の教説に共通している根本体験に行き着くのである。このような「真の自己」観が日本的ウェルビーイングの根本思想と言える(拙稿「ホリスティック教育学と鈴木大拙・西田幾多郎」『教育学研究』13号、参照)。

 「GTP兄貴」や「Google先生」の子分たちに、こう投げかける「それはなぜ?」「どうやったらそうなるの?」と。誰も真理など関係なくパタンマッチしかやれない「奴隷のはずのAI」の子分となっていたので、答えられない。概念だけの時間を切った空集合「言語」ではなく、反空集合界から、AIの奴隷たちを解放する「動的平衡手段」をつくる必要がある、と光吉は指摘する。

 今のAIのニューラルネットワークは反応関数があらかじめ用意されている。あらかじめ固定され、準備された反応機能しかない。この神経モデルは、デジタル信号と並行して処理される脳であるという”信仰”であった。従って、私たちはON OFF信号処理、確率モデル、シグモイド関数(生物の神経細胞が持つ性質をモデル化したもの)のみという幼稚な構成で満足してきた。

 実際の人間の神経や脳の構造は、ON OFFだけでなく、シグモイド関数も固定されていない。従って、フィードバックも起こり、確率的ではなく、新しい神経が生成され、進化・成長していく。従って、現在の全てのAIは、たとえ生成的なものであっても、このモデルに基づいて構築されているため、パターンマッチング(データを検索する場合に特定のパターンが出現するか、どこに出現するかを特定する手法)しかできない。

 

 

●「平和」の哲学が欠落したSDGsを超え、
 対立・分断を乗り越える理論の提示

 米スパコン大会で「四則和算」を使った東大量子特許による人工神経開発の成功をNECが2020年に発表した。

 AEは意識をベクトルとして創発させる計算が可能であり、未学習への対応、反応速度の俊敏さ、人らしさの「質」を再現する。量子論Matrix Vectorを神経科学で再現した人工神経では、拡張リーマンモデルでの創発、フィードバック推定を確認した。

 AIやロボットに道徳性を装着すること自体に賛否両論があるが、光吉はAIの判断基準を明らかにするための意志(欲求・動機)と超自我の数理モデルを設計し、道徳変換を行う反境界微分の変換の関数を東大では拡張リーマン圏、京大では光吉球と呼んでいる。

 また、光吉によれば、「Well-beingの源泉も数式で表現でき、相手への好奇心こそが、対立を解消する源泉になる」という。また、価値の創造を生物学的人類の物理進化として、製薬や外科手段だけに頼らない「意識による治療」という新しい医療技術の価値創造から医療費削減と「幸せな生命活動」につながるように、医学部での先進的研究に取り組んでいる。

 電気・電子を使わない新しい通信を生み出し、世界に「戦争せずに遺伝子操作せずに地球の持続可能な維持は可能である」と光吉は提言。危険水域からの人類救済の一歩として、「クオンタル技術」の提案を和算は可能にした。クオンタルとは、デジタルとアナログを同時に含む次世代概念である。これが日本が世界をAIから救う数学の力であり、多くの留学生が東大でこの「和算」を単位取得科目として選択している。

 SDGsが分断されているのは、切れ目があるからであり、SDGsの17項目同士で対立が生まれるのは、四則演算の「割り算」と分数で捉えているからであり、「切算」という「四則和算(大和算)」が国連で高く評価され、「平和」の哲学が欠落しているSDGsを超えるビジョン、対立・分断を乗り越える理論の提示を光吉は国連から要請されている。

 また、11月8日に開催されたフィリップ・コトラー氏の1億人世界のマーケッターシンポジウムでも、メビウス和の自然な状態を再現し、虚数場に貨幣を意識の具現化としマルクスの誤りを和算による量子ゲートで完全に論破した「Mitsuyoshiの式」が紹介された。

 

 

●防衛大学校講義「領土防衛問題」

 光吉は防衛大学校でも「領土防衛問題」について講義しており、「日本に都合の悪い地政学の現実」について、以下のように指摘している。

⑴ 日本の自衛隊は中国との戦争で2カ月以上戦えない。

⑵ 科学的には小氷河期に向かっている。

⑶ 中国の核ミサイル350発の内、約200発弱が日本の主要都市、日米基地全てに向けられている。

⑷ もう、アメリカは台湾すら守る余裕がなく、しかも国内の社会主義勢力によるアメリカ衰退政策に保守派が対抗するのに精一杯となり、日本を守る余裕がない。

 ウクライナは核を放棄したら、簡単に侵略されてしまった。しかし、今の中国だけは独裁者への国内不満の解消と、利己的欲望からの侵略を露骨にしている。そこで、これを踏まえた対策として、「日本自主独立防衛」が必要となります。

 台湾戦争では日本参戦が必要条件、しかし、アメリカは日本まで守れないので、運よく第七艦隊がやってくる2週間だけ闘えても、沖縄は壊滅状態となり、日本の基地も攻撃されることを想定。

 

<関係YouTube情報>
Mitsuyoshi Operator
Lion’s Heart | 光吉 俊二 | TEDxTokyo
Chapter 1:The cut arithmetic and dynamization arithmetic of Four New Japanese Arithmetic Operations.
Chapter 2 : The superposition arithmetic of Four New Japanese Arithmetic Operations
Chapter 3: The inverse arithmetic of Four New Japanese Arithmetic Operations.
Super Formula Japan SF50 Artificial Ego system (English)
Artificial Ego system (AE) algorithm
Explanation of Super Formula Japan SF50 Artificial Ego system

 

 以下は、日本語での独学用動画ラインナップ
【アニメ】大人の常識をぶっ壊す!新しい算数の発見〜割り算変だよ編vol.1 数理監修:光吉俊二
【アニメ】デジタルとアナログ?割り算から動算へ大人の常識をぶっ壊す!シン数理簡単解説アニメvol.2
【アニメ】心も計算できる!?デジタルからクオンタルへ!最新数理「四則和算」vol.3
【アニメ】世界の本当の裏?本質から共感が生まれる最新数理「四則和算」vol.4
スーパーフォーミュラー2022 SF50 人工自我実験 Artificial Ego system (日本語)
光吉 俊二氏「戦争をなくす数式」#人類の可能性へ|ウェビナーvol 18
人工自我研究/東京大学大学院・光吉特任准教授が中学生に熱血ゼミ!

 

(令和5年12月15日)

 

※髙橋史朗教授の「note
https://note.com/takahashi_shiro1/ 

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