エッセイ

金子正人 – 芸術作品と道徳

 

●施設の使用をめぐって 

 さる6月中旬、私の地元大阪で「表現の不自由展」が開催されるニュースが流れた。
 この展示会は2019年愛知県で同展示会が開かれたが、公共施設での展示内容としてふさわしいか? と市民から疑問の声があがり、一時中断され、その後、名古屋市長と愛知県知事の対立に至る事態となり、その後主催者は海外や東京でも開催を試みているが、「表現の自由と公共性」が話題となっている催しである。

 さて大阪であるが、6月17日に開催予定が報道されると“エル・おおさか”(大阪府所管の公共施設)には貸し出し使用反対の意見が多くよせられ、6月25日には混乱を避けるとの理由で使用許可取り消しの判断をした。
 これに対し、主催者側は憲法で保障された表現の自由の権利に反するとして争う構えである。

 

 

●人に対して

 私は今回の展示予定内容について、主催者のホームページなどで確認したが、例えば、

① 「昭和天皇の肖像に火をつけて」戦争責任を表現する。
② 「誰もいない皇室ご一家の団らんの情景」で皇室の存在を否定する。
③ 「少女像」と称し、戦争時の慰安婦を連想させる意図のオブジェ。

など過去に各地の展示会で拒否された作品を集めて展示し、表現の自由について考えてほしい趣旨と説明している。

 またいろんなコメントも寄せられていて、特に日本人にとっては不快感を感じるなど、開催には否定的な意見が多く見られた。
 その中で「芸術作品は人に対して心地よいものであるべき」の意見には全く同感である。

 表現の自由は憲法で保障された権利であるが、しかし公共の福祉(社会の安心・発達)に反する意図を持つ活動に私は賛同できないのである。
 私たちは永い歴史の中で、より良い社会を築く努力を重ね、先人の叡智によって築き認め合う共通の価値観「道徳」がある。芸術の領域においても、やはり根底に「道徳」の価値を含む必要があるのではなかろうか。

 社会や人心の安心、発達に反する活動にはねばり強く異議の声を上げて、文化・芸術においても道徳を基調とした活動が盛んになるよう願うものである。

(令和3年7月9日)

 

 

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