家庭・家族

子供の感性に学ぶ

 

 渡辺和子氏(1927~2016 ノートルダム清心学園理事長)は、著書の中でこんな話を紹介しています。

 

 ある小学校の授業で、先生が生徒に「氷が溶けると何になりますか?」と問いかけたところ、ほとんどの子が「水になります」と答えたのですが、ただ一人、「氷が溶けたら、春になります」と答えた子がいたのです。思わぬ答えに先生は考え込んでしまい、何も言えなかったそうです。著者は、春の訪れを思い描いた子に対して、「うれしい、あたたかい、そして夢のある答えですね」と答えてあげることができなかっただろうか、と指摘されています(『信じる「愛」を持っていますか』PHP刊)。

 

 このことは、日々、子供の感性とつきあっている親として、私たちも考えてみる必要があります。かつて、こんなエピソードを聞いたことがあります。

 

 ある日の夕方、6歳の男の子を連れてお母さんが散歩に出かけたときのこと。陽も沈みはじめ、もう帰らなければと、お母さんは、少し離れたところの橋にいた子供に声をかけましたが反応がありません。見ると、子供は、大小の石をいくつも欄干に並べて遊んでいたのです。「何度も呼んだのに、聞こえなかったの?」。しかし返事はありません。もう一度、強く叱りつけると、子供は口を開きました。

 

「いま石たちに、夕焼けを見せてあげていたんだ。ほら、とってもきれいでしょう!」

 

 ハッとしたお母さん、“なんて美しい夕焼けなんだろう”あと5分、このままでいてあげようと思ったのでした。

 

 素直に自然と向き合っている子供の感性を大切にしたいものです。

 

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