子供のほめ方、叱り方
今回は子供の「ほめ方、叱り方」について考えてみましょう。以前、ある精神科の先生にこんなことを教わりました。
まず、大勢のところでほめるときは、皆の前で行います。「とてもきれいに掃除のできた人がいます」「挨拶がじょうずにできた人がいます」等々、しっかりとほめましょう。ただし名前は公表しないで、その行為の内容をほめましょう。なぜかというと、名前を出すことで、なかには嫉妬して悲しい思いをする子供が出るからです。
叱るときは、逆に、個室でその子供と二人になって、自分の失敗談を交えながら話しましょう。ただし、その子の人格を否定するのではなく、「私はあなたが将来役立つ人間だから、大切な人だから叱るよ」と伝えながら、行為をただすことが大切です。個室なので他の人には知られませんから、本人の自尊心を傷つけることがなく、叱られた子供も感情的にならずに受け入れることができやすいからです。
私の場合は、亡くなった両親の遺影の前で叱りました。親祖先の子孫に対する願いや祈りを意識して、わが子に向き合うことが大切だと思ったからです。そうすることによって感情的にならず、しっかりと子供に自分の気持ちを伝えることができたように思います。
人間は誰でも「認められたい、大切にされたい、愛されたい」と思っています。特に子供の心の成長にとって、この欲求は必要不可欠な栄養そのものです。では、どうしたら子供の欲求に応えられるのでしょう。
それは「聴く」ことです。しかも一方的に聴くことがいいのです。これは聞き流すのとは違います。うなずきながら、しっかりと子供の気持ちや感情を受けとめるために心を傾けるのです。ほめるにしろ、叱るにしろ、これが最も良い方法だと教えてもらいました。
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