おじいちゃん! 食事中、テレビを見てはダメ!!
小学2年生のお孫さんがいる先輩から伺った話です。
娘さんの家を訪れ、準備してくれた夕食をいただきながら、丁度7時のニュースの時間になったので、先輩はいつもの習慣で、テレビのスイッチを入れました。するとお孫さんから「おじいちゃん! 食事中はテレビを見てはダメだよ」と厳しく注意を受けました。
「食事のときはテレビを見ない」という約束が娘さんの家ではされていたのでしょう。知らなかった先輩は、「大事なニュース番組だからちょっとの間だけ見せてよ」と食い下がったのですが、お孫さんから「ダメ」と拒否されてしまいました。
そのとき娘さんが、「おじいちゃんは見てもいいのよ」と叱りつけました。するとお孫さんは怒って「もう夕飯は食べない」と言って別室で泣いてしまいました。
食事が終わってから娘さんは、別室のお孫さんに根気よくその理由を説明しました。やがて一応納得したのか、機嫌を取り直し、夕食を食べ終えました。
このことで先輩は反省し、ルールに従わなかったおじいちゃんが悪いのだと、お孫さんに謝ったそうです。
先輩はこう言っていました。
「家庭の中では、教育方針は一致していなければなりません。ところが、私は親の教育方針に横やりを入れてしまった。
例えば、母親がせっかく躾けようとしても、父親に『そうガミガミ言うなよ』なんて水をかけられたら、どうなるでしょうか。親自身、昨日と今日、朝と夕方、そのときの感情で怒ったり見逃したりしては教育にはならないはずです。スパルタでも、過保護でも、家庭の方針は一致させ、子供の前では決して違った方針を出さないことです」。
その話を聞き、“子供を健全に育てる家庭環境の一つは、教育方針が一致していること”と、私は気づかされたのでした。