モラロジー道徳教育財団(千葉県柏市)は学校法人廣池学園と共催で、毎年6月の第1日曜日に伝統の日「感謝の集い」を開催しています。この集いは、創立者・廣池千九郎(法学博士)によるモラロジー(道徳科学の学術名)創建の目的を再確認すると共に、先人の恩恵に感謝し、その恩恵に報いることを学ぶ日と定めています。
本年は、新型コロナウイルス感染症対策のため、オンライン形式で開催。公式ホームページに特設ページを開設し、6月6日、当法人の理念・目的に賛同する全国の会員や学生、海外の関係者が視聴しました。
当財団の活動概要を紹介したオープニングムービーが流された後、廣池幹堂理事長による講話がライブで中継されました。
廣池理事長は、本年4月に法人名称が変更されたことに触れた後、昨年から広がるコロナ禍による影響を危惧しつつ、そうした中でオンライン授業やオンライン講座など、好きな時に学べるような新しい教育活動の形が生まれてきたこと。そうした学習環境の変化のみにとどまらず、時代はまさに大変革期を迎えており、当財団も例外ではないことを強調。創立の理念は不変であり、それをどう伝えていくか、手段や方法の見直しと改革が必要と述べました。
続いて、「21世紀は『いのちの時代』。道徳とは、私たち一人ひとりの『いのち』を守ることと直結しています。今日を築いた先人先輩のご苦労を思い、親祖先から受け継いだこの大切な『いのち』に感謝し、これを大切に守り育て、次の世代に受け継いでいく。そうした「伝統尊重」の精神を社会に広げていく必要があるではないでしょうか」と問い掛けました。
最後に、「天命に従いて曲に人事を尽くす」「断えず向上して終身努力す」「途中困難最後必勝」の格言を紹介。「創立100年に向け、創立者の教えを胸に、今こそ伝統尊重の精神を広く伝え、『いのちの時代』の安心と幸福を実現していけるよう、まずはわれわれ一人ひとり、努力してまいりましょう」と、講話を結びました。
講話後は、地方の新たな公益活動の動きとして淡海湖西生涯学習センター、北大阪生涯学習ホールの方々とつないで中継。社会の道徳化を進め、よりよい世界の実現を誓い合いました。
淡海湖西生涯学習センターからの中継
北大阪生涯学習ホールと中継をつないで
午後からは、全国の各ブロックがそれぞれに企画したイベントを発信。「ブロック発! オンラインイベント」が11の会場で行われ、各会場では、記念講話や体験発表、モラロジアン経営者による鼎談など、ライブやオンデマンド配信を行いました(別表参照)。
また、例年行われていた物産展は、会場をネット上に移し、「オンライン物産展」として6月1日より先行スタート。「伝統尊重の精神を伝える」「道経一体経営」に取り組む企業・団体が出展。約600点の商品・サービスが紹介されました。
【別表】
ブロック | 職位 | テーマおよび内容 |
---|---|---|
北海道 |
三上 章 元東洋英和女学院大学教授 |
知の永遠の求道者~ソクラテスと廣池千九郎 |
東 北 |
久慈浩介 株式会社南部美人代表取締役社長 |
南部美人の挑戦 |
関東/東京 |
加藤康子 産業遺産情報センター長 |
明治日本の産業革命遺産の意義と未来への課題 |
上信越 |
西田 誠 谷川・大穴記念館館長 |
廣池博士の、聖(ひじり)の域(いき)への歩み |
南関東 |
山本幾雄 畑毛記念館名誉館長 |
廣池千九郎と畑毛温泉 ~入魂の論文執筆~ |
東海 |
麗澤瑞浪中学・高等学校 |
生徒体験発表・部活発表(吹奏楽・太鼓・ピアノ) |
京滋・北陸 |
矢野篤 廣池千九郎記念館副館長 |
飛躍へのステップ ~廣池千九郎の京都時代~ |
近 畿 |
小出英詞 住吉大社権禰宜 |
廣池博士ゆかりの住吉大社 |
中 国 |
3名の若手モラロジアン経営者 森光孝雅 八天堂 ㈱代表取締役 福原治彦 福留ハム ㈱代表取締役 平岩由紀雄 アクト中食 ㈱代表取締役 |
道経一体経営志す若手モラロジアンの鼎談 |
四 国 |
中山 理 麗澤大学大学院特任教授 |
人生100年時代を生き抜く『人間力』 ~廣池博士の体験から何を学ぶのか~ |
九 州 |
湯田栄弘 加藤神社名誉宮司 |
今、加藤清正公に学ぶこと |