「祈り」が人生を豊かにする
日本語の「いのり」という言葉の語源は、「生宣り」だと解釈されています。人生にはいろいろな悩みや難問が待ち受けていますが、「自分はめげずに頑張って生きるぞ!」と宣言することが「祈り(生宣り)」といえます。自分に宣言をすることで、心は積極的に問題に向かっていけるようになるはずです。
また、1912年にノーベル生理学・医学賞を受賞したフランス人医師、アレクシー・カレル博士(1873~1944)は、「祈る人たちの間には、義務と責任の感情があり、嫉妬と意地悪さは弱まり、他人に対する善意が見られるのが特徴である」と述べています(『ルルドへの旅・祈り』春秋社)。自分のために祈るだけでなく、人の幸せのために祈り、大自然への感謝の気持ちを込めて祈る。そうした習慣を持つことで、いっそう心豊かな人生を歩むことができるのではないでしょうか。
『ニューモラル』490号,『366日』6月30日