道徳の授業:自然愛護

分類:D2 B5 C5

「自分一人くらい」の心から

 生物学者のギャレット・ハーディン(1915~2003)が雑誌『サイエンス』に発表した論文で有名になった「共有地の悲劇」という例話があります。

 ある村で共有する牧草地に、村人が思い思いに牛を放牧していました。その中で、一人ひとりが利益を追求して牛の数を増やしていった結果、ついに共有地の牧草は食べ尽くされてしまったという話です。もしこれが個人の所有する牧草地であれば、際限なく牛を増やせば牧草が尽きることはすぐに分かるので、飼う牛の数を制限したでしょう。しかし共有地となると、牧草が無限にあるかのように錯覚してしまうのです。

 これを地球の資源に置き換えて考えると、どうでしょうか。皆が“自分一人くらい”と思って浪費を続ければ、資源はやがて枯れ尽きてしまいます。子孫世代のことまで考え、皆で分け合いつつ大切に使う意識を育んでいきましょう。


『ニューモラル』515号
『366日』11月11日

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