「心の声」が聞こえますか
人は子供が誕生するとき、“無事に生まれてほしい”と、ただそれだけを祈ります。そして、無事に生まれたわが子を抱くと“ああ、よかった”という思いで心は満たされ、その後は「這えば立て、立てば歩めの親心」というように、子供の成長を楽しみにしていくでしょう。しかし、子供に自我が芽生えるころから、親の気持ちにも変化が生じてきます。言うことを聞かないので感情的に怒ってしまう、躾がうまくいかずにイライラする、動作の遅い子供をせかしてしまう、等々……。
時には厳しい躾も必要になるでしょうが、そうしたときこそ親は自分の心をよく見つめなければなりません。子供は親の心を敏感に感じ取っているのです。親は子供の視線に立ち、子供が何を求めているかに思いをめぐらせる心の余裕を持ちたいものです。そうすれば、きっと子供の「心の声」が聞こえてくることでしょう。
『ニューモラル』413号,『366日』8月26日