チーム・ジャパンに見る「和」
聖徳太子は、十七条憲法の第一条に「和を以て貴しと為す」(互いに和を大切にして、人と争わないようにしなさい)と述べています。当時、さまざまな利害のもとに争い合っていた豪族たちをまとめて、天皇を中心とした秩序ある国をつくるために、この「和」という精神が国づくりの根底に置かれたのです。日本人は古来、この精神を大切にしてきました。
「和」の精神は、近年のスポーツの国際試合に見られる「チーム・ジャパン」からも感じ取ることができます。ふだんは異なるチームで活躍している選手たちが“ジャパン”という一つのチームのために切磋琢磨し、それぞれの役割を考えて協力していくことで、大きな力が生まれるのです。「和」の精神を持って結束する姿は、私たちにその大切さを再認識させてくれるのではないでしょうか。
『ニューモラル』504号,『366日』7月9日