分類:C6
風習に込められた祈り
子供の健やかな成長は、私たちの切実な願いです。それを子供の成育の区切りごとに儀礼として表したものが、今日もなお生活に密着した文化として継承されています。
出産前の帯祝いに始まり、誕生後の三十日目や百日目に行われるお宮参り、そして七五三などは、その代表といえます。子供が成人するまでの間に見られる数々の儀礼には、子供の無事な成長を見守る親の深い心情がうかがえるのではないでしょうか。
日本の社会の底流には、社会全体で子供の成長を祈り、無事に育むという、先人たちによって受け継がれてきた心の伝統があり、それが風習や儀礼となって、今日にも名残をとどめているのです(参考=『伝統文化の心』モラロジー研究所)。
そうした風習や儀礼を「古めかしいもの」「形式だけで意味がないもの」と決めつけることなく、そこに込められた先人たちの心を見つめ直してみませんか。
『ニューモラル』398号,『366日』11月15日