人間関係を豊かにする言葉
あるとき、電車の中を走り回って騒ぐ男の子に「ちょっと静かにしようね。ほかのお客様に迷惑がかかるから」と注意をしたOさん(45歳)。
すると男の子に付き添っていた若い母親は、自分が恥をかかされたと思ったのか、Oさんをにらむようにして「近寄っちゃだめよ」と言うと、子供の手を引いて自分の席に連れ戻したのです。
例えばこのとき、母親がひと言「ごめんなさい」「すみません」「ありがとう」と言っていれば、どうなっていたでしょうか。
私たちの日常には、そのひと言が足りないばかりに、人との関係や場の雰囲気を気まずくしていることが、数多くあります。
「ありがとう(サンキュー)」「どうぞ(プリーズ)」「すみません(エクスキューズミー)」といった言葉は挨拶の基本であり、お互いの心はこうした言葉で開かれていきます。こうしたひと言が、私たちの人間関係をより豊かにしていくのです。
『ニューモラル』368号,『366日』11月24日