安心して暮らせる町
東京都荒川区では、「おんぶ作戦」という災害時の避難援助体制を推進しています。これは「自力での避難が困難な高齢者や体の不自由な人を、おんぶしてでも救出する」という趣旨から名付けられたということです。
ある町会では、地元住民が「倒壊家屋救出隊」「おんぶ作戦隊」「消火隊」「予備隊(町会内の老人ホームから要請を受けて救出に向かう)」で構成する区民レスキュー隊を結成。平素レスキュー隊の訓練だけでなく、高齢者が安心して暮らせるように努めています。
一人暮らしの高齢者に対しては本人了解のもと、両隣に住む人が見守り役と非常時の通報役を務めるのです。昔ながらの下町の人間関係があってこそのことでしょう。
「安心して暮らせる町づくり」の鍵は、地域の人々が日ごろから互いに声をかけ合って、「顔の見える関係」を築いていくことにあるのではないでしょうか。
『ニューモラル』428号,『366日』6月15日