分類:C4
大切な「親との時間」
「親孝行したいときには親はなし」という古言が生まれたのは、平均寿命が今よりずっと短かったころのことです。しかし、長寿の時代を迎えた今でも、親を看取った後に〝もっとよくしてあげられたらよかった〟という思いにさいなまれる人は、少なくありません。
成人した子供が親と一緒に過ごせる時間は、意外に短いものです。例えば四十歳前後の子供が、親とは離れた場所で独立して暮らしていたとします。その親が六十代後半であれば、現在の平均寿命から考えて、親の寿命はあと二十年というところでしょう。仮に、親子が顔を合わせて一緒に過ごす時間が一年間で十日、一日につき九時間だとすると、二十年間では千八百時間、七十五日分ということになります。この限られた時間をどのように過ごすかを、大切に考えたいものです。
『ニューモラル』503号,『366日』1月15日