子供の自立心を引き出す
初江さん(50歳)は、夫と三人の娘との五人家族。上の二人の娘は大学へ進学してひと安心、末っ子の輝子さんも大学へ進学するものと考えていました。ところが輝子さんは「製菓の専門学校に行く」と、進路を一人で決めてしまったようです。初江さんにはそれが一時の感情に思え、なんとか大学進学を勧めたいと思うのですが――。
親は、常に子供の成長を喜ぶものです。ところが、子供の考えが親の考えと違ってくると、つい親のエゴが顔をのぞかせます。そうしたときは、親自身も自分の心の動きをじっくりと見つめてみる必要があるのでしょうか。
子供が持っている「自立しようとする力」や「生きる力」をよりよく引き出していくためには、子供が何に喜びを見いだそうとしているのかを、子供の立場になって考えていくことが大切ではないでしょうか。
『ニューモラル』383号,『366日』5月26日