親は子供と「同い年」
ある幼稚園の園長先生は、よく園児の母親に「お母さんはおいくつになられましたか」と尋ねるといいます。これは決して失礼な質問ではありません。園長先生が言いたいのは「お母さんもお子さんと同い年ではありませんか」ということなのです。
母親が「親」になったのは、子供が生まれたときです。だから子供が四歳のとき、親としての経験は子供と同じ四年です。仮に三人きょうだいの末っ子であっても、子供はそれぞれに個性がありますから、その末っ子の親としての経験は四年でしょう。
自分も子供と「同い年」――そう考えてみると、子供と同じ目の高さで、わが子の気持ちを理解できるのではないでしょうか。“あなたと同じように、分からないところがたくさんある不十分なお母さんですが、よろしくね”という謙虚な気持ちでいれば、きっと子供に対して大らかに接することができるはずです。
『ニューモラル』377号,『366日』9月12日