善意を周囲に伝えていこう
自分に直接的に親切にしてくれた人に対してお礼を伝えることはできても、祖先や過去に生きた先人・先輩、また、見知らぬ多くの人々から受けている有形無形の恩を考えると、とうていすべては返しきれません。ですから、受けた善意や恩に感謝して、新たな善意のつながりを次世代や周囲の人に広げるという考え方が大切でしょう。
親や恩師、先輩から受けた恩を返しきれなかったと思うとき、親切にしてくれた相手の連絡先も分からないといった場合も、その感謝の心を他人への善意として伝えていくことができます。近所の人と笑顔で接する、お年寄りに席を譲るなど、小さなことでもよいのです。「恩返し」はいつでも、どこでも、誰にでも行うことができます。
善意は受けた人の心に残り、さらなる善意を育みます。一人ひとりの善意が社会に広がりめぐることで、よりよい社会が生まれるのではないでしょうか。
『ニューモラル』474号,『366日』6月4日