「当たり前」を見つめ直す
人は誰も、自分一人の力で生きているのではありません。衣・食・住のすべてにおいて、また、そもそも自分が今ここに存在するということ自体、社会の人々や親祖先、そして大自然を含めた多くのものの「おかげ」であるのです。私たちは、まさに「生かされて生きている」といえます。その数限りない恩恵を自覚するとき、「ありがたい」という思いが湧き起こり、心豊かに暮らすことができるのではないでしょうか。
例えば食事をするときも、目の前の食物の背後にあるさまざまな「おかげ」の存在を思うだけで、今までとはまったく違った気持ちで味わえることでしょう。何をするにも、その背後に必ず「おかげ」があることを思い、“家族だから当たり前”“お金を払ってサービスを受けているのだから当たり前”などと考えることなく、日ごろ「当たり前」になっている物事の一つ一つを見つめ直していきたいものです。
『ニューモラル』522号,『366日』12月4日