「ありがとう」は「有り難い」
北京オリンピックで金メダルを手にした日本女子ソフトボールチームを陰で支えたメンタルトレーニングの第一人者・西田文郎氏は、「感謝」を能力開発に活用する独自の理論で知られており、「何事にもありがたいと思えば感情脳が『快』になり、落ち着いた気持ちでストレス要因を消去できる。感謝することでエネルギーが強まり、人間は力を発揮します」と述べます(『毎日新聞』平成22年2月16日付夕刊)。
「ありがとう」は「有ることが難い」、つまり有ってほしいと望んでも有ることは稀で貴重なことを示し、この「稀なこと」を喜び尊ぶ感情から、感謝を表す言葉として使われるようになったといわれます。私たちが「ありがとう」という言葉を口にするときは、心の中で相手の存在やしてくれた行為を「有り難い」ものと認め、その貴重さに感謝してこそ、大きなエネルギーが生まれるのです。
『ニューモラル』489号,『366日』6月25日