「おかげさまで」は、何のおかげ?
私たち一人ひとりが今日存在するということは、動物や植物の生命を摂取するという行為に支えられています。さらにそれらの動植物も、自然界に存在する空気や水で養われたものです。その意味で、私たちのいのちの根源は、自然の恵みに生かされているといえるでしょう。もちろん、社会とか国とか、周りの人々の力添えもあります。
最も身近なものは、私たちに直接いのちを授けてくれた父母の存在です。また、それよりずっと昔からいのちをつないできてくれた、先祖の存在もあります。
私たちの先人は、こうした自分の周りのいろいろな恩恵をまとめて「おかげさまでありがたい」と言ってきたのです。
私たちが今、さまざまな場面で「おかげさまで」という言葉を口にするのも、そうした「目に見えない恩恵に対する感謝の気持ち」と考えてよいでしょう。
『ニューモラル』389号,『366日』11月26日