木を見て森を見ず
車の速度が上がれば上がるほど、ドライバーが認識できる視野は狭まります。高速道路上で車を運転しているとき、インターチェンジの合流地点でスッと脇から進入してくる車にヒヤリとした経験がある人も多いでしょう。
私たちの心も“それはこうに決まっている”“自分は絶対に正しい”という一方的な思いを強くすればするほど、高速道路で運転しているときのように、心の視野が狭くなるのではないでしょうか。
「木を見て森を見ず」というように、一部分だけを見ていると、物事の全体像は見えなくなります。一面的な物の見方は、私たちの思い込みを大きくし、大切な判断を狂わせるのです。つい自分本位の「思い込み」に陥り、人や物事の実像を見誤ってはいないか――日々、心したいものです。
『『ニューモラル』436号,『366日』9月26日