豊かさの中で生きる
日本は世界でも指折りの豊かな国の一つに数えられています。
「物の豊かさより、心の豊かさを……」といわれて、すでに長い年月がたちました。
暮らしが豊かになれば、心にもゆとりができて、周りの人たちへの思いやりや感謝の心が育つのは、当然のように思えます。
ところが、現実は、そうではありません。
たしかに、経済的な豊かさは、人生の幸せや、安心を支える条件の一つには違いないのですが、“足るを知る心”を忘れて、節度を失うと、欲望は次々とエスカレートしていくものです。
その結果、自分の望みがかなえられなくなり、つねに不平・不満を感じるようになります。