道徳の実行には勇気が必要
孔子は「仁者必ず勇あり、勇者必ずしも仁あらず」と述べ、道徳の実行には他人に率先して行うだけの勇気が必要であることを説いています。
道徳と言うと、「自分一人だけが行っては損だ」とか「恥ずかしい」「照れくさい」といった思いから、敬遠したくなることもあるでしょう。しかし、日常生活の中で密接な人間関係を築く基本は、「相手を思いやり、慈しむ心」、すなわち道徳心にあります。「道徳は人間関係の潤滑油」といわれる所以です。そして「よいこと」を行えば、何より実行した本人が大きな喜びと満足感を味わうことができます。
一人でも多くの人が道徳心を育み、それを日常生活の中で勇気を持って実践していくことができれば、家庭の中も社会の中も、きっと明るくよりよく改善されていくことでしょう。
『ニューモラル』471号,『366日』6月5日