自分が「誰か」になる
家庭内では、掃除も炊飯も、必ず誰かがやらなければならないものです。たとえ夫婦がそれぞれに仕事や子育てで忙しかったとしても、その家事をお互いに押し付け合うようなことがあれば、家の中が落ち着かなくなってしまいます。
「率先垂範」という言葉があります。誰かがやらなければならないのなら、自分がその「誰か」になろう――そのように考え方を変えることで、心が前向きになり、率先して実行する意欲が持てるのではないでしょうか。
「自分が誰かになる」という思いは、家庭内だけでなく、社会の中でも大切です。一人ひとりの思いは小さなものかもしれませんが、この思いが「親切」や「助け合い」として行動に現れれば、私たちの社会は大きく変わっていくことでしょう。そのためにも他人任せではなく、まず自分がその「誰か」になる勇気が必要です。
『ニューモラル』471号,『366日』3月22日