真の「自分らしさ」とは
自分を大事にするのは、大切なことです。しかし周囲を顧みず、自分の好きなことだけ、やりたいことだけやり続ければ、自分も周囲の人々も苦しむことになります。興味のあることには一生懸命でも、やりたくないことには非協力的であったり、自分の意見を押し通して他人に不快な思いをさせ、結果として自分も嫌な気分になったりということは、日々の生活の中でも起こり得ることでしょう。
「自分」へのこだわりによる苦しみから抜け出すためには、まず、心の視点を「自分を支えてくれている周囲の人々」に切り替えてみましょう。“自分は周りの人に喜びを与えているだろうか”と考えてみるのです。「自分」以外の周囲に心を寄せ、他の役に立つことで、自分自身も喜びを得ることができるでしょう。そして、その中でこそ「自分らしさ」を十分に発揮できるようになるのではないでしょうか。
『ニューモラル』511号,『366日』12月2日