七度探して人を疑え
「七度探して人を疑え」という諺があります。物が見当たらなくなったとき、軽々しく周りの人を疑ってはならないという戒めです。みずからの軽率さや、自分を省みないことに対して自戒を促すため、先人はこの諺を残したのでしょう。
人は自分にトラブルが起こった場合、自分を省みることなく、まず他人や周囲にその原因を求める傾向があります。物事が自分の思うように運ばなかったり、困難な問題に直面して心のゆとりを失ったりしたときに“自分は絶対に悪くない”“相手の責任だ”という思いを味わった経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。
私たちは強い思い込みにとらわれると、視野が極端に狭くなってしまうことがあります。自分勝手な思い込みから誤解を生み、人間関係を悪くしては残念なことです。問題が起きたときこそ立ち止まり、自分を冷静に客観視してみましょう。
『ニューモラル』470号,『366日』7月13日