「もったいない」の復権を
物資が不足していた時代とは異なり、使い捨ての感覚が身についている現代では、「もったいない」の言葉だけを繰り返しても、その感覚を持つことは難しいものです。
新たに品物を購入する場合には、本当に必要なのか、長く使えるかなどをよく吟味して、無駄なものを増やさないことが大切です。また、物を丁寧に扱い、こまめに手入れを行って、製品の寿命を延ばす努力も必要でしょう。そして、使わなくなった品物を人に譲って物の「いのち」を引き継いでいくことも、家具や衣類などであればリフォームして新しい「いのち」を吹き込むこともできます。どうしても捨てる場合には、物の「いのち」に対する感謝の気持ちを持つことが大切でしょう。
「もったいない」の心は、このように日常の中で意識しながら実践することで、豊かな現代においても蘇っていくのではないでしょうか。
『ニューモラル』408号,『366日』12月8日