人は自分によってしか傷つかない
中国の話です。
ある高官の屋敷に招かれた部下は、つがれた杯の酒を飲もうとして標然(りつぜん)としました。
杯中に蛇が動き回っているのです。
が、上役がついだ酒なので、しかたなく一気に飲み干しました。
帰宅すると激しい腹痛が襲い、寝込んでしまい、薬も効きません。
わけを聞いた上役が調べてみると原因が分かりました。
そこで再度、病床の部下を屋敷に運び入れ、杯に酒をついで言いました。
「杯中の蛇影は、あの壁にある弓の影にすぎない」と。
すると部下の病気はみるみる治っていったのです。
私たちは自分でつくっている自分のイメージによって傷ついていることが多いものです。