心が持つ大きな力
とっさに口を衝いて出た言葉や何気ないしぐさから、その人の人柄が見て取れることがあります。私たちの言動は、私たちの「心」の表れなのです。
自分は日ごろ何を大切に思い、何に価値を見いだして生きているか。その時々に出会う物事に対して、どのような心をはたらかせているか。――それらは、私たちの言動に影響を与えます。また、中国の古典には「善積まざれば、もって名を成すに足らず。悪積まざれば、もって身を滅ぼすに足らず」(『易経』繋辞下伝<けいじかでん>)とあります。私たちの人生における大きな出来事は、一朝一夕に成るのではなく、小さな善事や悪事が長い年月のうちに積もり積もった結果である、ということでしょう。
心とは、目で見ることはできませんが、私たちが考える以上に大きな力を持っているのではないでしょうか。
『ニューモラル』500号,『366日』10月20日