言うは易く、行うも易く、心づかいは極めて難し
よく「言うは易く、行うは難し」と言われますが、モラロジーの創建者・廣池千九郎(法学博士、一八六六~一九三八)は「言うは易く、行うも易く、心づかいは極めて難し」という言葉を遺しています。
道端のゴミを拾う、お年寄りを気づかう、寄付をするといった行為は、努力すれば可能でしょう。しかし、それを行うときの心づかいが悪ければ、かえって悪い結果を招くこともあるものです。家庭や職場、地域社会でも、人のためによい行いをしようとするなら、見返りを期待せず、相手の幸せや喜びを願いながら行いたいものです。
私たちは毎日、多くの人とのかかわりの中で善事を行う機会を得ています。その時々に自分の心と向き合い、みずからの人間性の向上に努めていきたいものです。そうした努力が、私たちの人生を必ず豊かなものへと導いていくことでしょう。
『ニューモラル』446号,『366日』8月31日