使わなければ衰える「心」
私たちは空気や水、そして太陽の光など、いつも身の回りにあって、存在することにも気づきにくいものに対しては、それがどれほど大事なものであっても、あることが当たり前と思い、恩を感じる心はなかなか生まれてこないようです。
使わないと衰えるのは、筋力や体力だけではありません。考える、気づくなどという心のはたらき、つまり「心づかい」も、常にトレーニングしないと鈍くなっていきます。自分が受けているさまざまな恩について、意識して考えるようにしていくと、やがて気づきにくかった恩や小さな恩にも気づくようになり、感謝の心が湧いてくるのではないでしょうか。
感謝の心を持つことは、道徳の実行そのものです。このトレーニングを、日々の生活の中で繰り返していきたいものです。
『ニューモラル』412号,『366日』11月9日