社会貢献

青少年育成とは?社会貢献に繋がる団体や活動を紹介!

将来を担う世代の育成は、国にとって欠かすことのできない重要事項の一つです。青少年育成をテーマとして活動する団体はたくさんありますが、これを知って活動に参加したり協力をしたりすることは、大きな社会貢献に繋がります。今回は、青少年育成の基本的な考え方と、国や各団体の活動について紹介していきます。


青少年育成とは?

各自治体の条例では、「青少年」とはおおむね18 歳に達するまでの年齢を指します。一方で内閣府の「青少年育成施策大綱」では、「おおむね0~30歳未満」と、さらに広い年齢層が対象です。幼児、学童、青年にいたる時期は、個人の人生を決定づける重要な年代といえます。健やかな成長を促すことで、豊かな人間性を育み、国や社会を支える力を持った大人への変容が期待できるでしょう。

未来を創るのは、青少年に他なりません。大人になる準備期間を地域や社会が見守り、関わりながら「育て合う」意識が求められます。

国による地域での多様な活動

青少年の育成においては、心の健全化とともに情操面の向上も重要となってきます。国では情操を豊かに育むため、また、安心して多様な学習・体験活動ができるよう、地域・学校と連携・協働し、さまざまな活動を推進しています。その一部を紹介します。

●環境学習
・環境省は、「持続可能な開発のための教育」(ESD:Education for Sustainable Development)の視点を取り入れた環境教育により、地域で環境保全活動を推進するリーダーとなる人材の育成に努めるほか、環境教育等促進法に基づく「体験の機会の場」の拡充に向けた取り組みを行っています。

・文部科学省は、子供がその発達段階に応じて、環境の保全についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育や社会教育において環境教育を推進。小学校、中学校及び高等学校の学習指導要領において、社会科や理科、技術・家庭科など関連の深い教科を中心に環境教育に関する内容の充実を図るとともに、環境について学ぶ教材ともなるエコスクール(環境を考慮した学校施設)の整備推進や、青少年教育施設における豊かな自然環境を活用した体験型の環境学習の機会の提供を行っています。

●自然体験
・独立行政法人国立青少年教育振興機構は、国立青少年教育施設の立地条件や特色を活かした自然体験活動の機会と場の提供を行っています。

・林野庁は、森林内での様々な体験活動を通じて、森林と人々の生活や環境との関係についての理解と関心を深める森林環境教育を推進し、子供を対象とした体験活動の場や森林環境教育プログラム等の情報の提供を行っています。
また、国有林野事業では、学校等と森林管理署等が協定を結び、自然体験活動の場を提供する「遊々(ゆうゆう)の森」の設定を進めています。

・環境省は、国立公園等の優れた自然地域において自然観察会等を開催することにより、子供たちに自然環境の大切さ等を学ぶ機会を提供するとともに、インターネット等を通じ様々な自然とのふれあいの場やイベントなどに関する情報を発信しています。

●文化芸術活動の推進
・文部科学省は、オーケストラなどの実演芸術の鑑賞や文化芸術団体によるワークショップをはじめ、実演芸術に身近に触れることができる機会の提供や、子供たちが茶道、華道、和装、囲碁、将棋などの伝統文化や生活文化等を計画的・継続的に体験・修得できる機会を提供する取り組みに対する支援などを実施し、文化芸術体験活動を推進しています。

青少年の育成は地域社会の果たす役割が大きい


地域社会は、子供の発達段階において特に果たす役割が大きいとされています。子供は、成長に従って触れる世界を広げていきますが、家族の次に接するのが地域社会です。ご近所付き合い、教育施設関連、商店街など、さまざまな人との触れ合いや交流を重ね、人間社会を学んでいくための学習の場となります。

特に、危険から身を守ることができない幼少期においては、親の目の届かない学校の行き帰りや遊びの時間に、地域全体が見守り体制を整えて事故・事件を未然に防いでいくことが必要です。思春期を含めた青年時代についても、家族とは異なる大人との会話や周囲の人の行動から得るものは少なくありません。身近にある環境が、青少年の健全な育成に深く関わっています。

その育成・見守りのために、全国の市町村を中心に広く設置されているのが青少年育成センターです。名称は、さまざまで例えば以下のようなものがあります。

・青少年センター
・少年センター
・青少年育成センター
・青少年指導センター
・青少年相談センター
・少年補導センター など

令和2年1月現在、748か所に設置され、工作やダンス、将棋、茶道、英語の教室や会場貸しなど、地域によってさまざまなイベントや催しが行われる一方、青少年の不登校やいじめ・非行などの相談、補導・立ち直り・学習支援なども行われています。

民間団体等の取り組みについて


民間団体やNPOなどでも、青少年の可能性を広げるための活動が数多く行われています。公的団体と比較すると小さい規模のものから大きな規模のものまであるのが特徴です。

●ボーイスカウト日本連盟の取り組み
ボーイスカウトとは、自立心のある健全な青少年を育てる世界的な社会教育活動団体です。異なる年齢の子供が集まる小さなグループ活動を通して、協調性と責任感を養います。主体となるのは、キャンプやハイキングなどの野外活動です。また、街頭募金や清掃活動など、社会貢献活動も実施しています。

さまざまな年齢のチーム活動を通して、自然を学び、友情や協調の精神を育てることが目的です。

●パナソニック教育財団の取り組み
パナソニック教育財団は、学校教育・社会教育関係者に対する教育研究の助成や教育に関連する技術の研修、利用技術などの研究活動を通じ、次世代を担う子供たちの「未来を創る想像力と豊かな人間性」を育てる活動を行っています。

「こころを育む総合フォーラム全国運動」の推進、学校教育に対する研究・助成事業など、子供の教育を新技術によりバックアップする取り組みを数多く実施しているのが特徴です。

●認定NPO法人さわやか青少年センターの取り組み
さわやか青少年センターは、青少年一人ひとりの生きる力の根幹である人間力(自ら意欲的に生きていこうとする“自助の力”と、みんなで助け合って生きていこうとする“共助の力”)を自ら育むように支援しています。

ふれあいボランティアパスポートによる子供のボランティア体験学習(活動)の普及事業やスクールボランティアサミット事業などを行っています。

●モラロジー道徳教育財団の取り組み
同財団では、道徳教育を通じ、広く社会に対して人間性・道徳性を高めるための活動を行っています。青少年育成の活動の一例を以下に紹介します。

・体験型学習 淡海湖西生涯学習センター
旧広瀬小学校(滋賀県高島市)の校舎をリノベーションした飲食・宿泊可能な体験型学習施設を活用。恵まれた自然環境のもと、農業体験やキャンプ、スポーツ合宿等を展開するとともに、地域の方々とも交流し、子供たちが感謝の心・思いやりの心を学ぶ機会としています。

・サマーキャンプ&ジュニアセミナー
夏季シーズンに小学生~中学生までを対象に、財団および周辺の地域を活用し、自然体験学習を実施(福島県伊達市、千葉県柏市、岐阜県瑞浪市など)。自然の大切さ、仲間とのつながり、親への感謝の心などを学ぶ機会としています。

・高校生セミナー
思春期から大人へ移行する高校生たちに向け、どのように生きるべきかを深く考える機会を提供。全国から集った仲間、先輩である大学生のスタッフと語らい、学び、人生の指針を見つける場を設けています。

・親カフェサロン
家庭道徳の充実に向けて、保護者支援や支援者育成の場を提供しています。誰でも参加できる親カフェは、子育てや家庭の悩みを打ち明けたり話し合ったりする場となっています。

まとめ

未来を創る青少年の育成は、これからの社会にとって欠かすことのできない重要課題です。実際に各地域ではさまざまな取り組みが行われています。周囲に目を向け、青少年の育成のため、自分でも参画できること、支援できることを探してみてはいかがでしょうか。

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