社会貢献

社会貢献とSDGsの関係性について知ろう

SDGsという言葉をさまざまな場面で耳にすることが多くなりました。マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査によると、「SDGsの認知率(名称も内容も知っている+名称は聞いたことがある)人は82%でした。また、SDGs認知者における興味・関心のある目標は、「貧困をなくそう」が 31% でした(※2022年6月実施)。

SDGsは、人類と社会の未来に向けた取り組みですが、社会貢献とも似た部分があるのが特徴です。そこで、今回は社会貢献とSDGsの関係性について、わかりやすくご紹介します。

社会貢献とSDGsって何が違うの?


初めに、社会貢献とSDGsの違いについて説明します。

・社会貢献
社会貢献とは、個人や法人(主に企業)が非営利的かつ社会問題を解決すべく主体的に行う行為です。個人の寄付行為やさまざまな貢献活動、企業の労働力や資本力の投入など、見返りを求めずに社会のために尽くすことから、ボランティアのイメージに近いといえます。

・SDGs
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月の国連で「2016年から2030年の15年間で達成すべき目標」として策定され、193ヵ国によって採択されました。SDGsは、17の目標、169個のターゲット、232個のインジケーター(指標)で構成されています。

この17の目標は、世界規模で起きている社会・環境問題をベースに設定されているのが特徴です。SDGsの内容をもう少し詳しく確認していきましょう。SDGsでは、「誰一人取り残さない」をスローガンに掲げ、以下の17の目標に向けて各国が独自の取り組みを進めています。

① 貧困をなくそう
② 飢餓をゼロに
③ すべての人に健康と福祉を
④ 質の高い教育をみんなに
⑤ ジェンダー平等を実現しよう
⑥ 安全な水とトイレを世界中に
⑦ エネルギーをみんなに そしてクリーンに
⑧ 働きがいも経済成長も
⑨ 産業と技術革新の基盤をつくろう
⑩ 人や国の不平等をなくそう
⑪ 住み続けられるまちづくりを
⑫ つくる責任 つかう責任
⑬ 気候変動に具体的な対策を
⑭ 海の豊かさを守ろう
⑮ 陸の豊かさも守ろう
⑯ 平和と公正をすべての人に
⑰ パートナーシップで目標を達成しよう
引用:外務省

このように、SDGsは環境や社会問題の幅広い分野を網羅しており、現状の課題を世界レベルで改善し、社会が末永く持続できることを目標としています。

社会貢献は、奉仕の精神が基本概念にあるため、営利団体の企業は「CSR」などの部署がある一部の大企業を除いては、主体的に取り組むことが難しい側面がありました。そのため、「営利活動とは切り離して行う」というのが前提となり、全ての企業が本格的に社会貢献を推進していくには限界があります。

一方で、SDGsは地球上における人類の生産活動の永続的な持続を目的としているため、企業による事業の継続性とも直結しています。例えば、目標⑧や⑨では、企業活動の積極的推進がベースです。営利活動を否定するものではなく、持続性のある社会に向けての事業の推進についても目標化されているため、企業のSDGsへの取り組みが加速する原動力となっています。

「身の回りでできることから」はどちらも同じ


社会貢献とSDGsは、まったく異なる行為というわけではありません。どちらも先にあるものは、「社会問題の解決」です。そのため、いずれの取り組みを行う場合でも、まずは問題意識を持ち、解決に向けて動き出すことが極めて重要となることは変わりありません。

一般的に以下のようなイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。

・個人が行う活動→社会貢献
・企業が行う活動→SDGs

しかし、身の回りにある問題を解決するための以下の3ステップについては、同じといえます。

 ①問題を把握する
 ②問題解決の方法を考える
 ③アクションを起こす

個人の場合、企業や組織と比較すると、確かに大きなことはできないかもしれません。しかし、大切なのは規模感や影響力に捉われずに、アクションを起こすこと。小さな行動を積み重ねることが、地球の未来へつながるという強い意志を持ちたいものです。

モラロジー道徳教育財団のSDGsに対する取り組み

モラロジー道徳教育財団では、「道徳で人と社会を幸せに」を指針に、国連・日本国政府が推進するSDGsと連動しながら、さまざまなネットワークを通じて活動を展開しています。同財団のSDGsを意識した主な取り組みは、以下のとおりです。

目標③:健康と福祉
あらゆる年齢の人たちの健全な生活に寄与するため、道徳の重要性を広く社会に訴え、心豊かな社会の実現を目指しています。

目標④:質の高い教育
年齢や属性を問わず、質の高い教育・学習が受けられるよう、家庭・地域社会、企業、学校関係者、青少年を対象としたセミナー等を提供しています。

・個人向けセミナー
・企業向けセミナー
・学校関係者向けセミナー
・青少年向けセミナー

目標⑧:経済成長と雇用
事業の健全な推進による持続的な経済成長のために、「道徳経済一体思想」に基づき、「人づくりの経営」「品性資本の経営」「三方よしの経営」の重要性を訴えています。

・企業永続の秘けつを説く道経一体経営講座
・経営者からリーダー社員、新入社員に至るまでの各世代を対象に、ビジネスパーソンとしてのスキルとマインドの向上、さらには企業の成長や発展に資するセミナーを展開
・“人間力”向上に向けた新入社員セミナー
・チームワーク強化に向けたリーダー社員のためのセミナー

目標⑰:実施手段
アメリカ、ブラジル、ナイジェリア、台湾、韓国、ベトナムなど、海外の関連団体、組織と協力して、道徳の大切さを世界に発信しています。

社会貢献とSDGsは問題意識による行動が重要

社会貢献とSDGsは、アプローチにやや違いがあるものの、現在の人類・社会が抱える多くの課題解決に向けた取り組みという点では共通しています。自身が社会についての問題意識を持っているのであれば、「個人だからできない」ということはありません。小さな寄付からの社会貢献や、身の回りのムダをなくすことからのSDGsなど、できることはたくさんあります。

社会貢献とSDGsのどちらも、まずは自分の意志に基づきアクションを起こすことが重要です。

当財団の寄付ページ

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