社会貢献

個人でもできる社会貢献活動について学ぶ

「社会貢献活動」というと企業や団体による組織的な活動や海外協力隊への参加など、ハードルの高さを感じてしまう人もいるのではないでしょうか。しかし、社会貢献活動の規模に大小はありません。個人でも、できる社会貢献はたくさんあります。今回は、社会貢献の本来の意味をおさらいしながら、個人でもすぐに始められる社会貢献活動について紹介していきます。

社会貢献活動の意義をおさらい

「社会貢献」は、よく耳にする言葉です。しかし、本来の意義について問われると、うまく答えられない人も多いのではないでしょうか。社会貢献という概念自体は、古くから見られ、その始まりは「富の再分配」という思想が元といわれています。富む者が乏しい者に富を分配することで、社会全体を豊かにするという考え方です。

現在の言葉に置き換えると、「所得の再分配」といったところでしょうか。一般的には、経済的な強者が弱者に対して、直接的または間接的に支援をもたらすとされています。現代の社会貢献には、さらに広義の意味合いがあることをご存じでしょうか。お金による経済的な貢献だけではなく、時間や労力、自分の持っている知識などによる支援も立派な社会貢献活動となります。

社会貢献について、より詳しく知りたい方は、以下の記事を併せてご覧ください。

社会貢献の「意味」について考える

個人でできる社会貢献活動ってどんなものがある?


冒頭で説明したように、社会貢献は非常に幅が広い意味合いを持ちます。「公共の利益を求め、個人の利益や企業の利益を追わない行動」という定義であれば、企業CSRなどの大規模な社会貢献から、個人が日常行う社会貢献まで、大小さまざまな種類の社会貢献があります。ここでは、特に個人が日常レベルで実現可能な社会貢献について紹介していきます。

①寄付活動
個人で最も取り組みやすいのが、募金や各種支援などの寄付活動です。大和ネクスト銀行が行った「社会貢献に関する調査2018」によると、これまでに参加したことのある社会貢献活動は「募金(82.5%)」がダントツでした。寄付活動は、金額の大小を問わず実施することが可能な経済的支援につながる社会貢献です。

現代は、インターネットを介しても気軽に募金や寄付ができ、また、さまざまなポイントを寄付として利用することもできます。自宅やオフィスなど、生活の中でいつでもできる社会貢献活動として、個人でも継続的な取り組みが可能です。

 

②社会的行事への参加
地域の人との関わり合いを持ち、地域行事に参加することでも、社会貢献ができます。例えば、お祭りや各種イベント、子供のための行事などは、地域を盛り上げていくための活動です。社会的行事へ積極的に参加し、手伝うことで労力的社会貢献となります。社会的な行事は、人の力で運営されるため、人が集まらなければ成り立ちません。

各地域が健全であることは、社会全体の元気さにつながります。個人として微力でも、一人ひとりの力を集めることで大きな行事を成功させることもできるのです。空いた時間を地域のために使うことで、地元を活性化し、自分なりの社会貢献が実現できます。

 

③各種ボランティア活動
ボランティア(volunteer)という言葉の語源は、ラテン語の「volo(ウォロ)」です。この単語は「自分から進んで○○する」「喜んで○○する」ということを意味します。つまり、ボランティアは自らの意志による自発的な行動です。生活の中になじんだ言葉ですが、いざ自分がボランティアを始めるとなると躊躇してしまうかもしれません。

しかし、上記で説明したように自分の意志で始めるのであれば、どのような小さなことでも、ボランティアにつながります。自分が本当に助けたい、役立ちたいという分野から探していくのが最も大切です。現代は、ボランティア活動も多種多様な広がりを見せています。ここでは、大きな4つの型で見ていきましょう。

 

・支援型ボランティア
災害ボランティアや高齢者支援ボランティアなど、困っている人に手を差し伸べるボランティア活動。支援型は、ボランティア活動の原点ともいえるタイプです。

 

・交流型ボランティア
障がいがある人への手話や点字・朗読のボランティア、介助犬の育成ボランティア、訪日外国人のサポートボランティアなど、交流を伴うタイプのボランティアです。ボランティアを通じて、自分自身にも新しい世界を広げられる機会が得られます。

 

・サービス型ボランティア
高齢者のためのゴミ出しボランティアや買い物代行ボランティア、家事手伝いボランティアなどがあります。被災者や高齢者、そのほか話し相手がほしい人のために電話で話を聞く、傾聴ボランティアといった形でも社会貢献が可能です。

 

・環境保護型ボランティア
清掃活動やごみ拾い、森林伐採など、環境保護・保全のための活動もさまざまな規模で行われています。散歩しながら河原のごみを拾うのも、立派な社会貢献です。

 

④社会事業に対するクラウドファンディングによる支援
先に紹介した「社会貢献に関する調査2018」の中で、今後盛んになると思う社会貢献活動として、1位に挙げられていたのが「クラウドファンディングによる寄付」です。クラウドファンディング市場は、2017年以降順調な伸びを見せており、特に新規プロジェクト支援額が大きく増加しています。2016年における国内クラウドファンディング新規プロジェクトの支援額は、約716億円でした。

さらに2020年度は約1,841億円と約2.6倍にまで増加しています。クラウドファンディングによる支援は、時代を敏感に反映します。2020年以降は新型コロナウイルスの影響により、以下のようなプロジェクトに対する寄付や購買による支援が行われています。

・医療従事者や医療機関向けサービスへの応援・感謝

・除菌や抗菌商品、マスクなどの購入

・食品や食材ロスへの応援

・動物施設や事業、飲食店、ライブハウスの事業・経営への支援、イベント救済など

クラウドファンディングは、新しい寄付の形とも呼べるものです。未来に向けて社会に役立つと思われる事業に対して、個人が投資することで応援・サポートを実行できます。

 

⑤食品ロスの削減
世界的にも問題となっているのが、食品ロスの問題です。飢餓に苦しむ国がある一方で、日本国内の食品廃棄量は、年間で「東京ドーム5杯分」という膨大な量に上ります。食料品の6割以上を輸入に頼っている国で、毎日日本人1人あたり、お茶碗1杯分のごはんと同じ量の食品を捨てているのが現実です。

食品ロスの原因は、スーパーやコンビニなどの小売店における売れ残りや返品、飲食店・家庭内での食べ残し、未使用品の廃棄など多岐にわたります。

企業の取り組みももちろん大切ですが、個人にもできることは多々あります。以下のようなちょっとした個人の心がけが、食品ロス問題解決のための社会貢献行動となるでしょう。

・店で買い物をする際に、賞味期限の近いものから手に取る

・飲食店では食べられる量だけ注文する

・冷蔵庫チェックをして週に一度は残り物を食べて処分する など

「そんなことが?」と感じる人がいるかもしれませんが、身近な生活の中にこそ、社会を変えていく行動様式があることを忘れてはなりません。

 

⑥物品寄付
寄付活動の範囲は、お金だけではありません。物品の寄付なども、社会貢献活動に含まれます。衣類や書籍、文房具、家電、ハガキ・切手、タオルなど、あらゆるものが寄付の対象です。保護動物のために、新聞紙や古い寝具などを集めている団体もあります。これらの「不用品」が社会貢献になるとわかれば、それほど難しい行為ではないのではないでしょうか。

家の片付けをする際に、「捨てるのではなく寄付に回す」という選択を自然にできるようになれば、生活に密着した社会貢献活動となります。

 

⑦献血
コロナウイルスの影響で血液が不足する現代、ちょっとしたときに街中の献血ルームに立ち寄ることで、大きな社会貢献となります。血液は、人工的に製造できないことをご存じでしょうか。また、長期保存もできません。一方で定期的に輸血を必要とする人、輸血によって命が救われる人はたくさんいます。

また、いつ自分自身が輸血を必要とする状況に陥るかはわかりません。「自分には何もできない」と悩んでいるのであれば、献血が重要な社会貢献の一つとなることを思い出してください。

自分ができる範囲で無理のない継続的な社会貢献活動を継続しよう


これまで見てきたように、個人でできる社会貢献活動は非常に幅広いことがわかります。思い立ったときに単発で行うことは決して無意味なことではありません。自分でできる範囲で問題ありません。持続可能な社会貢献活動を見つけていくことが、今の社会には必要です。

●モラロジー道徳教育財団が提供する個人型社会貢献

・クリーンプロジェクト
地域への恩返しの意味を込めて、全国各地で清掃活動を展開しています。各所での活動へ気軽に参加できます。

・募金活動
公益財団法人日本ユニセフ協会が主催する募金活動へ第1回(1979年)から協力しています。一緒に募金活動に参加することで、大きな充足感を得られます。

・寄付活動
モラロジー道徳教育財団では、集められた寄付金により、青少年の育成から地域社会の道徳化、災害支援などさまざまな社会貢献活動を行っています。各活動への参加が難しい場合でも、モラロジー道徳教育財団のサイト上から継続的な支援ができます。

社会貢献は自分の行動意識が大切

社会貢献への気持ちがあっても、どこから始めればよいのかわからない人は多いかもしれません。しかし、自分の生活を見回すことで社会貢献のヒントは、いくらでも見つかります。まずは、無理をせずに自分ができることから始め、次第にその輪を広げていきましょう。社会全体の幸せを願うのであれば、小さなことでも続けていけるでしょう。

 

当財団の寄付ページ

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