社会貢献

いろいろな寄付の方法をあらためて知る

「寄付をして人の役に立ちたい」という善意の心が生じることは、とてもすばらしいことです。しかし、何らかの具体的な行動へつなげていかなければ、せっかくの気持ちも表せないかもしれません。寄付といっても、決してハードルが高いものではなく、誰にでもできる方法もたくさんあります。ここでは、貢献したいという気持ちを行動に移していくためのさまざまな寄付の方法について紹介していきます。

手軽にできる寄付の方法

寄付をする際には、「個人の自発的な思い」「どのように使ってほしいか」といった目的が重要です。ただし、あまり難しく考えすぎてしまうと、どのような方法で寄付をしてよいのか分からなくなります。そのため、手軽にできる方法を知ることは必要です。

これまでも、さまざまな寄付の種類について過去の記事(※)で取り上げてきました。本記事では、さらに手軽な寄付の方法について紹介します。

「お金だけではない「寄付」の種類について知ろう」(モラロジー道徳教育財団)

「お金」を寄付する! 手軽な方法


お金の寄付は、資金使途に汎用性があるため、多くの人の役に立つことが期待できます。寄付する側の行動としても、最も一般的といえるのではないでしょうか。私たちの生活の中にも、以下のように手軽にできる寄付の機会がいろいろあります。

●お釣りを寄付(募金)する

日常の身近なシーンかつ、簡単にできる方法の一つが、コンビニやスーパーなどの「募金箱に直接お金を入れる」という行為です。現金で会計した後に、お釣りのお金を入れるのであれば、わざわざお財布を出す手間も不要で、手軽に実行できます。

ただし、お金を寄付する際は、募金箱にしっかりと目的が明記されていること確認しましょう。掲示のない募金箱は、自分の善意がどのように使われるのか不明確となるため、避けたほうが無難です。

募金は、する側にとって間接的に社会貢献できるため、ちょっぴり気持ちが良くなったりもします。しかし、「つい入れすぎて後悔した」というのでは逆効果です。募金のルールを自分なりに決めて、募金する金額の上限を定めておくとよいでしょう。

●クレジットカードを活用して毎月定額の寄付をする

恒常的に募金活動をしている団体や組織などでは、クレジットカードによる定額寄付を受け付けているところも多く見受けられます。実際に、募金活動をしているさまざまな寄付団体については、以下の記事でご紹介しています。

「信頼できる寄付先の条件を知ろう」(モラロジー道徳教育財団)

銀行振込や口座引き落としという方法もありますが、クレジットカード払いに比べると手間がかかります。特に、振込などを定期的に行う場合は、それにかかる手間や振込手数料などを負担に感じてしまうことも……。クレジット払いであれば、そうした負担を感じず、定額の寄付が続けられます。

●ふるさと納税をする

毎年、年末近くになると、話題に取り上げられるのが「ふるさと納税」です。ふるさと納税は、「返礼品」があるため、「寄付」という感覚は薄いかもしれません。しかし、自治体を応援する立派な寄付活動の一つです。そのため、確定申告では寄付金控除の対象となっています。

今は、ふるさと納税を簡単にできるポータルサイトが多数あり、ネットショッピングするように寄付を行うことが可能です。また、クレジットカードが使用できるケースがほとんどで、支払いもコンビニ払いや銀行振込、ペイジーなどさまざまな方法を選択できます。

ふるさと納税の寄付金控除を受ける場合は、本来、確定申告が必要ですが、ワンストップ特例制度を活用すれば、給与所得者でも面倒な手続きがいりません。ふるさと納税の金額は、収入や世帯構成などで節税効果が大きく変わるため、事前にシミュレーションを行うと安心です。

他にも、マイレージや各種ポイントをネットで寄付する方法もあります。直接的にお金を払うのに抵抗がある人でも、これらの方法であればハードルが下がるため、実践しやすいのではないでしょうか。

「モノ」を寄付する! 手軽な方法


モノがあふれている現代では、不用品を他人へ寄付することに対してためらいを感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、自分にとっては不用でも、場所や人が変わることで有用になるモノはたくさんあります。ここでは、寄付できるモノを4つ紹介します。

●古本

読み終わった本は、ある程度まとまった数であれば、受け入れてくれる法人がたくさんあります。まだ使える本であれば、福祉施設や育児施設で活用されるケースも多く見受けられます。古本の買い取り代金をそのまま寄付する活動を行っている団体もあります。

【古本から寄付ができる代表的な組織の例】
・North book center
「古本でできるボランティア」を2006年から開始。本、CD、DVD、ゲームなどを箱に詰めて送ることで、買い取り金額を寄付できます。主な寄付先は「あしなが育英会」「学術書チャリティ」「交通遺児等育成基金」などです。

●古着

古着の寄付では、大きく分けて直接的に古着自体を必要としているケースと、古着を販売することで得る資金を活用しているケースの2つがあります

【古着から寄付ができる代表的な組織の例】
・毎日が発見ショッピング
「片付けで子どもを救おう古着ボックス」で、不用となった品物の片付けと社会貢献を両立しています。「捨てられない」悩みを解決しながら、開発途上国の子供たちにワクチンを届けることが可能です。

利用方法は、古着ボックスを購入し不要品を箱詰めして送ります。もとは、大人の女性向け通販サイトのため、台所ボックスもあり、家中の片付けが可能です。さらに、次回使える「お買い物割引券」が付いています。

●未使用ハガキ

ハガキは、比較的現金化しやすいため、支援活動の原資とされるケースが多く見られます。ハガキによる寄付を扱っている団体もたくさんあるため、まずは自宅に使っていない古いハガキや書き損じたハガキがないか、チェックしてみると良いよいでしょう。

【ハガキで寄付ができる代表的な組織の例】
・世界の子どもにワクチンを日本委員会
認定NPO法人による書き損じハガキや未使用ハガキ、切手の寄付活動を行っています。2020年1~12月は、ポリオワクチン約18万7,000人分の寄付品を回収しました。書き損じハガキ、未使用ハガキ(郵便ハガキ、年賀ハガキ)のほか、未使用切手、使用済切手、図書券、商品券などの金券、収入印紙、外国紙幣、未使用・使用済みテレホンカード、未使用・使用途中プリペイドカードも回収しています。

●ランドセル

ランドセルは、児童支援系の福祉団体などで受け付けているケースが多く見受けられます。ランドセルは、高額にもかかわらず、きょうだいがいない場合などはそのまま捨てられることも多いため、金銭的に苦労している家庭に寄付することで非常に喜ばれています。

また、施設だけではなく被災地や資源に恵まれない世界中の子供たちのもとへ送られる場合もあります。損傷が激しいものでも、資源として再利用できることもあるため、寄付先を探してみてはいかがでしょうか。

【ランドセルで寄付ができる代表的な組織の例】
・エコトレーディング
使い終わったランドセルをアジアの子供たちに届けて生活に役立ててもらう取り組みを実施しています。主にタイやフィリピンのリサイクルショップで販売。その収益金の一部を国内のボランティア活動、児童養護施設の支援、被災地復興支援などに充てています。

このほかにも、前述の「世界の子どもにワクチンを日本委員会」では、ペットボトルキャップで世界の子供にワクチンを届ける取り組みを行っているなど、さまざまな寄付活動があります。生活の中で不用となったモノを捨てる前に、寄付活動を調べてみてはいかがでしょうか。

寄付の形は人それぞれ

「寄付をしたい」という意思こそが活動の出発点となります。「お金がないから寄付できない」とあきらめてしまうのではなく、「できることで人の役に立とう」という気持ちが大切です。暮らしを見回せば、できることが必ず見つかります。寄付の形に決まりはないため、自分らしい方法での寄付活動を始めていきましょう。

 

当財団の寄付ページ

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