寄付したい! と思ったら?
災害や貧困などのニュースを聞くと、「自分も力になれないだろうか」と考える人も多いでしょう。寄付行為は、気持ちを実行に移す最も簡単かつ効果的な方法といえます。しかし、実際に寄付をするとなると、「どのように行動を起こしていけばいいのか分からない」といった人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「寄付したい時」に関する情報をお伝えしていきます。
寄付がしたいと思い立った時、実際にどのようにアクションをするべきなのか

「寄付をしたい時」とは、どのような状態なのでしょうか。解説していきます。
●なぜ寄付をするの?
寄付は自分への見返りを求めない行為です。それでも多くの人が寄付を行うのは、なぜなのでしょうか。内閣府の調べによると、寄付をする理由の上位には以下のようなものが挙げられています。
・社会の役に立ちたいと思ったから
・町内会・自治会の活動の一環として
・自分や家族が関係している活動への支援
中でも、「社会の役に立ちたいと思ったから」は、全体の59.8%と、自分自身の意思で寄付を行う人が多いことが伺えます。阪神淡路大震災や東日本大震災など自然災害が起こるたびに、被災地へ多くの善意が寄せられるようになりました。
「同じ年くらいの子どもがいる」「自分の立場に置き換えたらとても悲しい」など、寄付につながる気持ちは人それぞれです。とはいえ、人の痛みに寄り添い、共感することで行動していることに変わりありません。
●実際に寄付をするまでには何を考えている?
実際に、寄付活動を行うまでの一般的な思考のフローを分かりやすくまとめて見ていきます。


➡何か自分にもできることがあるかも?
・特徴的な寄付者7タイプ
①未来の開拓者:寄付で社会を良くできる
②ぷちソーシャル系:無理のない範囲で小口の寄付をする
③ザ・リトルヒーローズ:災害など非常時に必ず立ち上がる
④ハイアンテナ男子・ハイアンテナ女子:SNSで今必要とされている寄付を盛り上げる
⑤チャリティサンタ:見返りを求めず困っている人の幸せを願って寄付する
⑥まちの見守りママとパパ:社会の子供みんなの幸せを願う
⑦おたがいさまサポーター:「困ったときはお互いさま」の気持ちで支え合う
引用:寄付白書2017より
「ただ寄付をしたい」という気持ちが起きた時でも、もう一押しするきっかけや行動を喚起することがないと、なかなか実行に移せない場合もあるのではないでしょうか。テレビの映像などで社会貢献に関する情報を見たり、活動事例を知ったりすると、さらに行動意欲が高まります。

この活動を支援したい、自分の思いにぴったりの活動(団体)はここだな」

実際に、寄付を行う多くの人の思考のフローには、上記のような傾向があります。そのため、寄付の目的や、寄付先についてのイメージがまだクリアになっていない場合は、あわてて寄付をする必要はありません。
寄付をする際に明確にしておくべき4つのポイント

上記で示した寄付に至るまでの思考のフローで、明確にしておきたいポイントが4つあります。
①何のために寄付するのか(寄付の目的)
寄付には、以下の例のようにたくさんの種類があります。
・災害復興支援・災害対策
・環境保護・環境保全
・医療支援(難病対策)(感染症対策)
・子育て支援(自然体験・子供食堂・子供の居場所づくり・学習支援など)
・スポーツ振興
・文化・学術振興
・発展途上国支援など
このほかにも、企業や個人が行う事業への寄付や学校法人などへの寄付、さらに政治的な寄付もあります。「自分が何に共感し、どのような社会になってほしいのか」によって、寄付の目的が異なります。寄付は、自分の大切な財産の一部を提供する行為です。
しっかりと目的を考えて、寄付をすることが大切です。
②寄付先の団体(組織)が信頼できるか
社会の中には名目どおりではなく、私欲のために寄付を利用するような悪意のある組織や団体もあります。大災害などの後では、善意の気持ちに付け込んだ詐欺が多発し、寄付したお金が被災者の元に届かないというケースもあります。
また、国からの認定を受けた組織や団体が寄付先であれば、寄付金控除の対象にもなります。自分の善意が確実に役立てられるよう、寄付の目的に合わせた事業を行う「信頼性の高い寄付先」を選ばなければなりません。
③実際にその寄付がどのように使われるか
信頼できる寄付先にもつながりますが、実際に集められた寄付がどのように使われているのかを確認することも大切です。公正な寄付活動を行っている組織や団体では、必ず寄付の使い道を公表しています。これまでの実績や、今後の活動内容などを参考にするのも、寄付の使い道を知る方法の一つです。
寄付先を選ぶポイントとして多くの人が挙げているのが、「団体のビジョンやミッション」。自分の考えと大きなズレのないことも、寄付が有効に使われる条件となるでしょう。
④どのくらいの金額であれば無理のない金額であり、かつ、効果を得られるのか
寄付は、自分の生活を圧迫させてまで無理をして行うものではありません。個人としてできるだけ役に立ちたいと願う気持ちを大切にしつつ、寄付の額についてはできる範囲で自分が納得する金額を見極めて提供することが大切です。
自分の気持ちを社会に役立てるために
寄付をする行為自体は、非常に素晴らしいものです。自発的な社会貢献の気持ちは、世界を豊かにするために欠くことができません。ただし、意味のある寄付にするためには自分の気持ちを言語化し、目的を明確にすることが大切です。また、確実に要支援者へ寄付が還元されることを確認してから実行することも重要です。