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寄付は節税になる? 国民の義務の納税と寄付の関係。知っておきたい4つのメリットと2つの注意

寄付は、他者への思いやりや社会市民として支援を行う気持ちを表明する行為です。見返りを期待して行うものではありません。ただ、税的な優遇はあります。国の制度として決められていることなので、知っておいて損はありません。ここでは、寄付に関する税金上のメリットや注意点について解説します。

寄付をすると節税になるってほんと?


日本国憲法第30条に定められている通り、日本において納税は国民の義務です。税金は、国を運営するうえでの原資となり社会を支えます。例えば所得税の場合、収入から「配偶者控除」「扶養控除」「社会保険料控除」などの各種控除を差し引いた課税所得に税率を乗じて計算する仕組みです。

寄付は、対象とされる一定の寄付金を支払った際に「寄付金控除」が適用できます。寄付金控除が認められるのは、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して寄付をした場合です。寄付金控除の対象となるのは、個人であれば「所得税・住民税」です。法人は経費として計上できるため「法人税」の軽減が期待できます。

個人でも法人でも寄付金が控除されることで、結果として節税につながる仕組みです。ここで考えたいのが、寄付をする意味です。事実上、所得から控除できるため、納税金額を減らすことはできますが、「寄付=節税」というよりも、「税金の使い道を寄付という形にする」「自分のお金を有効に役立てられる」という気持ちが大切です。

寄付することで生まれる節税の4つのポイント

寄付による節税については、以下の4つのポイントがあります。

 

1.「寄付金控除」により寄付金額がほぼそのまま所得控除の対象に

所得控除の場合、所得金額の40%を上限として以下の式により控除額が決められます。

                  

  • 寄付金控除額=年間の寄付金の合計額-2,000円

例えば年間1万円の寄付をした場合、控除金額は8,000円です。給与所得控除や基礎控除、扶養控除などと合わせて、こちらの金額が控除されます。所得控除された課税所得に所得税率をかけて税金が計算されますが、所得税率は納税者の所得状況で大きく異なるのが特徴です。

仮に課税所得が300万円の場合は所得税率10%、課税所得が194万9,000円以下の場合は5%を乗じて計算します。そのため、最終的な節税効果は寄付した場合前者で800円、後者は400円です。

2.「住民税」の控除対象に

住民税も寄付が控除対象となりますが、こちらについては自治体の条例によって異なります。認められていれば、所得金額の30%相当までを上限に最大10%(都道府県民税4%、市町村住民税6%)の控除を受けられます。

例えば、年間5万円の寄付の場合には、5,000円が住民税の控除分です。ただし、各自治体の条例によって定められていない場合には、適用されません。

3.「所得控除」と「税額控除」を上手に使い分けるべき

所得税の控除に対しては、「所得控除」「税額控除」の2つから選ぶことが可能です。多くのケースの場合、「税額控除」を選ぶほうが、納税金額が少なくなります。「税額控除」の控除額は、以下の通りです。

                  

  • (年間の寄付金額-2,000円)×40%=税額控除額

「所得控除」と同じ年間1万円の寄付金額の場合では3,200円となり、この金額を税金から控除することが可能です。高額所得者で多額の寄付をしたケースを除き、一般的な寄付のケースでは「税額控除」のほうが節税効果は高くなります。

4.法人税の節約

法人の場合は、国や地方公共団体や指定寄付金への寄付を行うことで損金算入(経費化)することが可能です。そのため、法人税の節約効果が期待できます。

節税を視野に入れた寄付を行う場合に注意すべき2つのポイント

寄付による税金の軽減を考える場合には、注意しておかなければならないポイントがあります。

1.寄付金控除の対象となる団体に対して寄付を行う必要がある

寄付金控除を受けるためには、対象として認められた寄付先に寄付しなければなりません。所得税の寄付金控除の対象になる主な団体は以下の通りです。

                  

  • 国・地方公共団体
  •               

  • 公益社団法人・公益財団法人
  •               

  • 独立行政法人
  •               

  • 地方独立行政法人のうち、当該法人の主たる目的である業務部分
  •               

  • 日本司法支援センター、自動車安全運転センター、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社
  •               

  • 学校法人
  •               

  • 国立大学法人及び公立大学法人
  •               

  • 社会福祉法人
  •               

  • 更生保護法人
  •               

  • 認定特定公益信託
  •               

  • 認定特定非営利法人(認定NPO法人)に対する寄付金のうち一定のもの
  •               

  • 政治活動に関する寄付金のうち一定のもの

ただし寄付者が寄付によって一定の利益を得られると判断される場合や、教育機関の入学に関連するものについては寄付金控除の対象外です。寄付の対象は、各自治体によっても異なります。詳細に関しては、自治体のサイトなどで都度確認するようにしましょう。

2.必ず確定申告を行う必要がある

寄付で所得控除や税額控除を受けたい場合は、確定申告をすることで初めて適用されます。自動的に税額改定が行われるわけではないので注意が必要です。うっかり確定申告を忘れてしまうと、税金控除を受けることができません。

また、確定申告の際には、寄付金受領証明書が必要となるため、寄付金控除を想定している場合は必ず受け取り、紛失しないように保管しておきましょう。

「節税」に対する大切な考え方


税金が安くなると嬉しく感じることでしょう。節税と寄付金控除の関係を正しく理解しておくことが大切です。そもそも「納税」は、多くの人と共生する重要な国民の義務であり、「節税」によってそれをごまかすような考え方は正しくありません。

今一度「寄付金控除があるのはなぜなのか」を考えてみましょう。それは、困っている人を助けたいという寄付者の善意からなる行為を肯定し、経済的な負担を軽くすることでより多くの寄付が行われるようにという意図があります。

寄付金控除を通じて多くの人へ寄付行為を促し、最終的に世の中がよくなるようにするために生み出された制度ともいえるでしょう。自身の労働の対価や、資産に対して発生する大切なお金を世の中のために役立てやすくする仕組み……それこそが、寄付金控除の狙いということを忘れてはなりません。

まとめ

寄付金に対する控除は、寄付者の経済的負担を軽減し、支援を必要とする人の元に善意を届けることが目的です。そのため、「節税になるから寄付をする」のではなく、「寄付をしたことへの国からの配慮」という認識が求められます。寄付金控除を正しく理解し、制度を有効に活用したいものです。

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