社会貢献

【寄付を考える方へ】 信頼できる寄付先の条件を知ろう

毎年のように発生する自然災害、不安定な社会における弱者の状況。そうした現状を目にするたび、「自分にも何かできないか」と考える人は多いのではないでしょうか。寄付は、比較的誰でも行いやすい支援方法の一つです。

小さな善意であっても、たくさん集まれば困っている人の力となります。しかし、寄付先はどこがいいのか、選定までしっかりと行わないと、せっかくの気持ちが助けたい相手の元に届きません。ここでは、寄付を行う際に、ぜひ知っておきたい役立つ情報を紹介していきます。

日本の寄付の現状


はじめに、日本における寄付の現状を紹介します。

日本と海外における寄付行動の差

日本では、2011年の東日本大震災をきっかけに、被災地支援の寄付活動が大きな盛り上がりを見せました。その後も、毎年のように頻発する災害のたびに、さまざまな媒体を通じて被災地に向けた寄付が行われています。また、以下のような新しいスタイルの寄付が登場し、寄付文化の浸透に弾みをつけています。

  • オンラインを介した気軽な寄付
  • 買い物で貯まったポイントを寄付にできるサービス
  • ふるさと納税
  • 寄付型クラウドファンディングなど

日本は、欧米諸国と比べると寄付文化が根付いているとは言えませんが、それでも着実に増加傾向にあります。例えば、『寄付白書2017』によると2009年の寄付総額は5,455億円でしたが、2016年は7,756億円と約1.4倍の伸びです。

今後も寄付をしやすい環境が整ってくれば、「日常生活の中で何気なく寄付をする」という習慣が生まれるかもしれません。

 

制度による寄付行動の促進効果

制度面でも、東日本大震災における寄付がきっかけとなり、同年の税制改革により設けられた一定団体への寄付を対象とする「寄付金特別控除」や所得に対する「寄付金控除」といった優遇措置が取られています。

こちらも、寄付の増加に役立っているといえるでしょう。ただし、この控除を受けられる寄付先は、特定の条件を満たす法人に限られているため、税金の控除を想定して寄付を行う場合には注意が必要です。寄付金控除の対象となる寄付先には、以下のようなものがあります。

  • 国や関連組織、地方公共団体
  • 公益社団法人:シルバー人材センターなど
  • 公益財団法人:日本ユニセフ協会など
  • 政治活動に関する政党や政治資金団体
  • 認定NPO法人:ただし国から社会貢献についての基準を満たしていることを認められた団体
  • 特定公益増進法人:自動車安全運転センター、日本赤十字社、私立学校など

信頼できる寄付先の条件を知ろう


自分の行った寄付が正しく活用されるためには、信頼性の高い寄付先を選ぶことが大切です。信頼性の目安となる条件を確認していきましょう。

寄付金の使途が明確に表明されている

団体HPを閲覧し、財務情報と寄付実績が公表されていることを確認します。寄付に関する活動報告書の開示や、お問い合わせ対応の体制整備も重要です。「寄付の方法」「集められた金額」「使途と結果」といった流れがわかりやすく説明されていれば、信頼性が高いと言えるでしょう。

 

団体の活動状況が明確である

寄付だけに限らず、普段の活動状況を広報や各媒体などを通じて活発に報告していることは、透明性につながります。報告が定期的に成され、活動の様子を開示しているようであれば、活動実体を伴っている団体の可能性が高いでしょう。

 

公益社団法人、認定NPO法人、NPO法人などの法人格を所持している

例えば、NPOを名乗っていても、法人登記がなされていない任意団体もあります。法人格を取得している場合には、活動実績の報告が義務付けられており、実働を伴っていることが前提です。

そのため、上記の法人格を取得しているだけでも、信頼に足る可能性が高いと言えるでしょう。また、活動実績報告の義務を果たしていない場合は、法人格を取り消されてしまうこともあります。長期にわたって法人格を所持している団体は、それだけ信頼度が高いと推察できるでしょう。

寄付金の使い道にはどんなものがある?


寄付する側では、実際に集められた寄付金が、具体的にどのように使われているのか追跡することは困難です。寄付金の使い道は、明確なルールがないため、募集する法人や個人により用途が異なります。

そのため、寄付を考える際には自分の意図に適した寄付先を選び、活動内容に納得したうえで寄付することが大切です。一般的に見られる寄付金の主な用途をみていきましょう。

 

世界の子どもたちを救う

ユニセフが中心となって実施する活動です。ワクチンや栄養治療食を配給し、貧困地域の子どもたちの命を救うために寄付を募っています。具体的な寄付金の使用例は、以下の通りです。

  • 177円:経口ポリオワクチン10回分
  • 1,284円:HIV/エイズ簡易診断キット10回分
  • 1,498円:重度の栄養不良からの回復に役立つ栄養治療食50包

 

スポーツ振興基金

国が中心となり、設立されたスポーツ振興基金です。スポーツ団体の行う強化合宿や、指導者強化などの援助を行っています。具体的には、競技人口拡大や水準向上を図る国際的・全国的な競技会、研究会の開催援助、選手・指導者のスポーツ活動に対する援助など、スポーツに関わる事業を寄付金によってサポートしています。

 

日本の子どもたちの学習支援&居場所支援

不登校や虐待、ネグレクト、マイノリティなど子どもを取り巻く複雑な環境に対し、社会的な関心を呼びかけています。「居場所づくり」「学習支援」「食事支援」「保護者支援」といった包括的な取り組みを展開。

 

地域振興:ふるさと納税

「自分の育った故郷に、自分の意思で寄付できる制度があったら良い」といった問題提起から生まれたのが、ふるさと納税です。ポイントは、自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税控除の対象となること。ただし、自己負担額が2,000円となるかどうかは、世帯構成や収入によって大きく異なるため、寄付金額の上限額の確認が必要です。

使い道は、各自治体のサイトで確認でき、手続きの際に選択できる場合もあります。

 

災害被災者への義援金・支援金

寄付活動を行っている団体はたくさんありますが、例えば日本赤十字社では義援金・支援金を募っています。義援金と支援金の違いは、以下の通りです。

  • 義援金:被災者に直接寄付金全額をわたすもの
  • 支援金:日本赤十字社の支援活動に役立てられる

日本赤十字社では、支援金を使い災害時の医療救護活動や救援物資の配布などを実施しています。

ここで紹介した以外にも、寄付金の用途は多岐にわたります。寄付を検討している場合は、「自分がどのような貢献を社会に対して行いたいのか」といった希望を明確にし、それに適した支援を行っている団体を探して寄付することが大切です。

モラロジー道徳教育財団の寄付用途実績

モラロジー道徳教育財団は、1926年(大正15年)に倫理道徳の研究と総合人間学モラロジー(道徳科学)に基づく社会教育活動の推進を目指し、設立されました。モラロジー道徳教育財団は寄付金控除が認められている「公益財団法人」として、寄付金を集め社会生活の向上に役立てています。

モラロジー道徳教育財団の寄付金の使用実績を紹介します。
 ・青少年育成(自然体験宿泊型セミナー、エッセイ募集、地域の清掃活動)
 ・子育て支援(親カフェサロン、講演会)
 ・学校教育への支援(児童・生徒対象の道徳の出前授業、教員対象の道徳授業の研究会)
 ・災害支援活動(被災地救援活動、復興ボランティア活動)
 ・シニア世代の活躍支援(講演会、健康運動教室)
 ・社会人対象生涯学習セミナー(オンライン・対面)
 ・企業の人材育成(新入社員教育、経営者・幹部対象セミナー)

モラロジー道徳教育財団では、受け取った寄付をもとに社会の全域にわたる活動を実施しています。災害被災者への支援や、企業の人材育成支援など、さまざまな活動の場で寄付が役立てられているのが特徴です。

モラロジー道徳教育財団への寄付を通じて、希望の持てる社会づくりへ参画することができます。

寄付先を慎重に選ぶことが社会貢献の第一歩に

たとえ少額でも、寄付をする行為は誰かのためになり、また自分の心を養うことにもつながります。しかし、寄付先選びを間違えると、社会貢献とはほど遠い結果となってしまう可能性があります。

ふるさと納税や災害支援を語る詐欺サイトもなくはありません。寄付することを考えたときには、まず信頼性が高く、使い道の正しい団体を選ぶことが重要です。

当財団の寄付ページ


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