改めて社会貢献とは? 個人でできることを知ろう

日ごろの生活の中で「社会貢献」について考えたことがあるでしょうか? 中には、「何だか難しそう」「お金がないとできない」といったイメージがある方もいるかもしれません。しかし、社会貢献は意外と気軽で簡単にできるものです。ここでは、社会貢献の定義や種類、個人でできることについて解説していきます。
社会貢献について興味があったり、もっと詳しく知りたい方は必見です。
社会貢献の定義って?

社会貢献という言葉について国語辞典を見ると「社会生活の向上のために尽力すること」と記載されています。しかし、「○○の活動は社会貢献活動にあたる」といった明確な定義はありません。定義はありませんが、一般的に「個人や企業や法人がより良い社会をつくるための公益性の高い活動」が社会貢献活動といわれています。
近年は、SDGs(持続可能な開発目標)を意識する活動や経営に注目が集まっています。そのため、自分や自分の周辺だけでなく、「世界のために何ができるか」について考えながら、実践していくことが今まで以上に重要視されるでしょう。
社会貢献での大きな2つの貢献

個人が社会貢献活動でできることは、大きく分けて以下の2つです。
- 肉体的な貢献:被災地にボランティアに行ったり、地域の活動に参加したりするなど
- 金銭的な貢献:災害支援のための寄付金を出したり、困っている人に物資を送ったりするなど
これらは、さまざまな場で必要とされている社会貢献活動です。小さくても自分でできる支援のあり方を見つけ、実践することが最も大切です。日ごろから「もっと社会を良くできないか」「何か自分でもできることはないか」という問題意識を持つことが社会貢献活動の第一歩となります。
社会貢献の種類について知ろう

社会貢献は、難しいことではありません。まずは、自分ができることから始める意識や行動が大切です。中には、「何をしていいのか全く思いつかない」という方もいるかもしれません。ここでは、一般的に広がっている個人で行うことができる社会貢献活動をご紹介します。
災害支援活動
地震や津波、台風、洪水などの被害に対しての支援です。人命を守るための支援から、街の復旧、さらには災害前の状態に戻るための復興まで、被災地復興までには、長い年月がかかります。
災害支援活動は時期によって必要な支援が異なるため、今、必要な支援は何かを見極めたうえで支援していきましょう。
では、災害支援の種類について詳しく見ていきましょう。
- 寄付を行う
- 「義援金・支援金としてお金を拠出する」という支援です。義援金は、支援団体などを通じて直接被災者に渡されます。支援金は、支援団体やボランティア団体に渡し、有効活用してもらうものです。義援金・支援金以外にも「ふるさと納税で支援する」という方法もあります。
- 物資を送る
- 被災地などで、「必要とされている生活必需品を送る」という支援です。必要な物資は、災害状況や災害からの経過日数など状況によって変化していくため、送る際は被災地支援をしているNPOやボランティアグループなどを活用することも有効です。
- 現地でボランティア活動をする
- 被災した家屋からの荷物出しや清掃、事務作業等の手伝いなどを行います。被災地に行く際は、災害ボランティアセンターで登録し、活動します。現地に迷惑をかけないよう、まずは正確な情報収集が重要です。また、自分自身で交通手段の確認や宿泊先、食事の手配が必要です。
なお、急な災害時においては、被災地の自治体へ直接電話をすることは避けましょう。職員の方は様々な緊急対応を行っているため、電話での問合せへの対応に時間を割かなければならなくなり、手が回らなくなってしまう可能性があります。また、二次災害の危険性についても考慮し、ボランティア保険に加入するなど検討しましょう。
児童の支援活動
児童の学習支援も大切な社会貢献の一つです。どのようなものがあるのか解説していきます。
国内のケース
- 学習指導
- 「児童に勉強を教える」という支援です。他にも「放課後の居場所を作る」「遊び相手になる」という支援もあります。大学生など、学生でも参加しやすい社会貢献活動といえるでしょう。直接学校に行って支援したり、ひとり親や貧困家庭のために塾のような場所で行ったりするなど種類はさまざまです。
- 読み聞かせ
- 学校で地域の人による読み聞かせを実施しているケースもあります。地域の広報などで募集しているケースもあるので確認してみてはいかがでしょうか。
- 子ども食堂
- 子どもたちに温かい食事を提供する活動です。貧困など、何らかの理由で満足に食事がとれない子どもや孤食の子どもたちに食事を提供します。
海外のケース
- 学校設立
- 「発展途上国に学校を設立するための資金を寄付する」という社会貢献活動です。活動する団体に資金を寄付します。
- 海外の児童への支援
- 「学校に行けない海外の児童のために資金を寄付する」という支援です。支援団体を通じて、1回だけでなく毎月定額の支援金を寄付するというやり方もあります。社会貢献への一歩として取り組んでみてはいかがでしょうか。
動物愛護活動
動物愛護活動とは、動物の命を守るため、不幸な動物を増やさないための社会貢献活動です。主に、以下のような支援方法があります。
- 里親探しへの協力
- 里親譲渡会へ協力したり、一時預かりをしたりするなどの支援活動です。活動資金の寄付という形で支援することもできます。
- 動物園への支援
- 地域の動物園への寄付です。エサや物品だけでなく、資金の寄付も可能。寄付金の使い道を指定できる場合もあります。
- 野生動物保護のための支援
- 生息地域の保全や、希少な野生動物を乱獲から保護するなど、野生動物保護をしている団体への寄付です。
学校への支援
学校の環境整備、部活動の指導や登下校時の安全確保など、子どもの通う学校のPTA活動をすることも立派な社会貢献活動です。特に登下校時の安全確保は多くの人の見守りが必要です。地域への社会貢献として始めてみてはいかがでしょうか。
その他の社会貢献活動
上記以外にも社会貢献はさまざまな方法があります。具体例を見てみましょう。
- 地域の清掃
- 社会貢献というと、何やら大変なことという印象を受ける方もいるかもしれませんが、地域の清掃も手軽にできる大切な社会貢献です。自宅や職場の周辺にゴミが落ちていたら拾うといったようなことから始めてみてもいいでしょう。
- 町内会活動
- 日頃お世話になっている身近な「公園・公民館などの清掃」「町内会役員になって地域に役立つ活動を行う」といったことで社会貢献することもできます。
- 献血
- 病気やケガで輸血が必要な人のために行う支援方法です。時期によって不足している血液型がアナウンスされることもあるため、情報をよく確認してみましょう。
- 高齢者への支援
- 老人ホームへの資金支援以外にも見守りや外出支援、家事支援、話し相手になるなどがあります。形式にこだわらず、身近な高齢者の方と接することから始めてはいかがでしょうか。
- 脱プラスチック活動への支援
- 「プラスチックごみを出さないように、紙製品を探してみる」「ペットボトルなどのリサイクルを徹底する」「何度も使える製品を購入する」などから始めてみてはいかがでしょうか。例えば、エコバックで買い物をすることも脱プラスチック活動の支援の一つとなります。こちらは日常生活の中で最も取り組みやすい社会貢献活動かもしれません。
- 自然保護活動への支援
- 自然保護活動をしている団体への支援だけでなく、割り箸の代わりにマイ箸を持ち歩いて使うなど、自分でできることも多くあります。
- ホームレスへの支援
- 生活困難者の自立支援をしている団体への寄付のほか、炊き出しの手伝いなどもあります。個人が支援団体などを通じて行える社会貢献でもあります。
- 食糧問題支援
- 世界中には、明日食べる食料に困る人が大勢います。支援団体に寄付したり、現地で畑づくりなどのボランティアをしたりする方法で支援することが可能です。
ここで紹介した社会貢献活動以外にも、私たちが支援できる方法はたくさんあります。各自が社会を良くするために動くこと、それが社会貢献活動です。国内・海外など支援方法は多岐にわたりますが、自分が最も必要と感じるものから始めたほうが、長期間続けることができるのではないでしょうか。ぜひ胸を張って活動できる支援を探してみましょう。
モラロジー道徳教育財団では「家庭教育支援」(家族のきずなプロジェクト、敬老プロジェクト、子育て支援・親カフェ等)や 「青少年育成」(クリーンプロジェクト、ユニセフ街頭募金活動等)など、社会貢献に関する活動を行っています。社会貢献を始めたいが何から始めてよいかわからないという方はぜひご参考にしてください。
金銭的貢献における「寄付活動」
前述の通り、社会貢献には肉体的な貢献と金銭的な貢献があります。金銭的な社会貢献活動をしたいと思った場合、多くの方が「寄付」という方法での支援を考えるのではないでしょうか。ただ、問題は「どこに寄付したらいいのか?」という点です。そこで、寄付先の例として「公益財団法人モラロジー道徳教育財団」をご紹介します。
1926年創立のモラロジー道徳教育財団は、「道徳で人と社会を幸せに」を指針として、倫理道徳の研究に基づいて社会教育活動を行っている団体です。寄付金の主な使い道は、以下の通りとなります。
- 青少年育成(自然体験宿泊型セミナー、エッセイ募集、地域の清掃活動)
- 子育て支援(親カフェサロン、講演会)
- 学校教育への支援(児童・生徒対象の道徳の出前授業、教員対象の道徳授業の研究会)
- 災害支援活動(被災地救援活動、復興ボランティア活動)
- シニア世代の活躍支援(講演会、健康運動教室)
- 社会人対象生涯学習セミナー(オンライン・対面)
- 企業の人材育成(新入社員教育、経営者・幹部対象セミナー)
社会貢献活動の内容はさまざま。自分ができるところから始めよう!
社会貢献活動というと、難しそうと感じる方もいるかもしれません。しかし「社会をより良くしたい」という気持ちを持って行う活動は、どんなものでも社会貢献活動になるのです。まずは、自分が大切だと感じる社会貢献から少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。