平成31年1月26、27日の両日、廣池千九郎記念講堂(千葉県柏市)において第46回モラロジー研究発表会(柏会場)を開催。全国から141名が参加しました。
今回の共通テーマは、「徳について考える」。私たちが何気なく使っている徳という言葉。その徳にはどのような意味があるのか。また、目に見えない徳というものは私たちの生活の中でどのように働いているのかという問題意識を出発点に、多角的な視点から徳について講演、研究発表、全体討論を行いました。
26日は、廣池幹堂・モラロジー研究所理事長、犬飼孝夫・研究センター長の挨拶に続き、3名の研究者が発表を行いました。その後、立木教夫・研究センター客員教授、麗澤大学名誉教授が「道徳はいつ始まり、どのように進化したのか―自然史の視点から―」と題して講演。立木教授は、「人類が進化していく過程の中で“We”(我々)という概念が生まれ、小集団が形づくられた。それと同時に“They”(彼ら)という概念も生まれた。この“We”と“They”それぞれの最大集団は『国家』であり、対立の歴史が繰り返されてきた」と人類の進化過程を説明し、「まだ結論は出ていないが」と前置きしながら、「この対立を超えていくために必要とされているものこそが道徳なのではないだろうか」と述べました。
2日目の27日は、4名が個人研究発表を行い、続いてミニシンポジウム「徳をめぐる個人と社会」で討論を展開しました。
その後の全体討論では会場も交えて熱い議論が交わされました。
また、2月17日(日)には、シティプラザ大阪(大阪市中央区)においても研究発表会(大阪会場)を開催し、140名が参加。所功研究主幹(教授・京都産業大学名誉教授)による講演「今上陛下のご修徳に学ぶ」をはじめ、ミニシンポジウムなどを行いました。
柏会場 1月26日(土)
【個人研究発表】
①宮下 和大(副センター長・主任研究員、麗澤大学准教授)
②犬飼 孝夫(センター長・教授、麗澤大学教授)
③梅田 徹(教授、麗澤大学教授)
【講演】
「道徳はいつ始まり、どのように進化したのか―自然史の視点から―」
立木 教夫(客員教授、麗澤大学名誉教授)
柏会場 1月27日(日)
【個人研究発表】
①宗像 俊輔(研究助手)
②古川 範和(研究助手)
③横田 理宇(研究員、麗澤大学助教)
④小山 高正(客員教授、日本女子大学名誉教授)
【ミニシンポジウム】
「徳をめぐる個人と社会」
①大野 正英(室長・教授、麗澤大学教授)
②竹内 啓二(教授、麗澤大学教授)
③木下 城康(研究員)
大阪会場 2月17日(日)
【個人研究発表】
①久禮 旦雄(客員研究員、京都産業大学准教授)
②アブドゥラシィティ アブドゥラティフ(研究員)
③宗 中正(副センター長・教授)
【ミニシンポジウム】
「モラルサイエンスの視点を踏まえた公益としてのモラロジー教育活動の展開」
①川久保 剛(室長・主任研究員、麗澤大学准教授)
②山岡 鉄秀(研究員)
【講演】
「今上陛下ご修徳に学ぶ」
所 功(研究主幹・教授、京都産業大学名誉教授)
柏会場:犬飼孝夫・研究センター長による開会挨拶
柏会場:講演する立木教夫教授
柏会場:発表者と参加者の討論
柏会場:ミニシンポジウム
大阪会場:講演する所 功教授
大阪会場:ミニシンポジウム