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平成28年度 第5回公開教養講話を開催(作家、ジャーナリスト 惠隆之介)

 平成29年3月19日(日)、廣池千九郎記念講堂において、本年度第5回目の公開教養講話を開催。今回は元・海上自衛官で、沖縄在住の作家、ジャーナリストの惠隆之介氏に「沖縄に残る米国統治時代の遺産」と題して講演いただき、モラロジー生涯学習講座の受講者と一般参加者合わせて約150名が聴講しました。

平均寿命が30年延びる

 近年は、沖縄における「米軍基地問題」や米兵の不祥事などが取り沙汰され、その存在を否定する声が少なくありません。これに対し、惠氏は「米軍は沖縄の近代化に尽くし、多大な恩恵を与えてくれている」とその存在の大切さを指摘します。

 戦前の沖縄では、衛生環境が劣悪でマラリア、ハンセン病、結核、コレラ等の感染症罹患率が本土の8倍以上もあり、県民の平均寿命が47歳でした。しかし、敗戦後から27年間のアメリカ統治を受けたことにより、昭和47年の沖縄返還時には平均寿命が87歳まで上昇。これは、「米軍が沖縄県下160か所に診療所を設けて無料診察し、航空機によるDDT散布でマラリアを撲滅、看護学校をつくって、沖縄の子女に最新の看護技術を教育したことによる」と説明しました。

 中でも、“沖縄の看護教育の母”とうたわれるワニタ・ワーターワース女史の取り組みについてクローズアップ。「沖縄の看護レベルを国際基準に引き上げる」との思いのもと、沖縄に骨を埋める覚悟で教育にあたり、教え子を医師のいない離島や山間僻地に派遣、域内全域に公衆衛生看護婦制度を確立させた業績等を紹介しました。

 惠氏は常日頃から、このような米軍の取り組みが、沖縄の近代化に多大な影響を与えたという史実が教えられていないと指摘。それらを知ることによって、沖縄の人たちの意識も大きく変わっていくはずと語ります。最後に、「日米友好の根底は沖縄県民が担うもの。そうすることによって、東アジアの平和関係の構築に貢献できる」と締めくくりました。

スライドを使ってわかりやすく説明

約150名が聴講

惠隆之介(めぐみりゅうのすけ)

昭和29年、沖縄ゴザ市生まれ。昭和53年、防衛大学校卒業。海上自衛隊幹部候補生学校を経て世界一周遠洋航海。その後艦隊勤務。昭和57年に退官し、琉球銀行勤務。平成9年米国国務省プログラムにて、ワシントン、ニューヨークで国際金融、国防戦略等を研修。平成11年、琉球銀行を退職。現在シンクタンク「沖縄・尖閣を守る実行委員会」代表。著書多数。主な著書に、『昭和天皇の艦長』『海の武士道』(産経新聞出版)、『海の武士道 DVDBook』(育鵬社)、『沖縄よ甘えるな』(WAC)がある。

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