私は周囲の環境になじめず、いつも対人関係に大きなストレスを感じます。そのため、今までに4回も転職をしました。今は一般事務のアルバイトをしていますが、極度のあがり症で、お客様から電話を受けても先方に不安を抱かせるような応対になってしまいます。不安と緊張の毎日ですが、もう転職はしたくありません。どうすれば自分に自信を持って、安心して人生を歩むことができるでしょうか。

(20代・女性)

 

 対人関係のストレスで転職を繰り返してきた自分と決別したいということですが、なかなか難しいご質問ですね。
 人の性格は先天的な部分もありますが、大部分は生まれてから今日までの環境によって形成されるものです。そこでまず、あなた自身で、ご自分の生育過程を振り返ってみる必要があるでしょう。ただし、原因を探るとか、特定の誰かを批判するなどという態度ではなく、冷静に振り返ってみることが大切です。
 すると、あなたの性格形成に何が影響しているかが見えてくるはずです。特に気になったり恐怖を抱いたりしやすい対象や場面について、できるだけ客観的に思い出し、意識して把握することに努めてください。というのは、対人関係が苦手といっても、あなたに限らず、たいていの場合、すべての人を苦手としているわけではないからです。
 人間は、改善すべき目標が定まると実行に移しやすいものですが、あなたはまだ、自分をどこからどのように改善していけばよいのか、具体的に見えていないように思われます。
 この振り返るという作業は簡単ではなく、自分一人で行うことは難しいものです。したがって、信頼できる先輩に悩みを聞いてもらうか、専門のカウンセラーに相談することをお勧めします。
 一人ひとりの人間の性格は、幼児期・少年期の自然や社会、家庭での環境の影響を受けて無意識のうちに形成され、さらに青年期の考え方や行動の習慣化に伴って変化していくものです。あなたの場合も、現在の状況を意識して理解し、改善していくという強い意志を持ち、努力を継続することによって、悩みを克服していくとよいでしょう。
 今日の社会は組織化や合理化が優先され、激しい競争とめまぐるしい変化の中にあり、人間関係も希薄になって、あなたのように対人関係に悩む人が急増しています。その意味で、あなたの悩みも現代の文明病の一つと言えるでしょう。
 身体の病気だったら内科や外科に通うのと同様に、自分の精神を健康にするために、親しい先輩や専門家の援助を得ることを考えてはいかがでしょうか。行動療法や認知療法などにも理解を深め、これを取り入れて、「人や失敗を恐れない」「大きな声を出す」「自分の値打ちは自分が決める」「他人は他人、自分は自分」というように、考え方や具体的な行動を変えていく訓練を始められることをお勧めします。弱気にならず、強い覚悟で、援助を得つつ、挑戦することが大切です。

『ニューモラル』 no.513 12.05.01発行号より