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三洋電機の副社長を務めた後藤清一(ごとうせいいち)氏に『叱り叱られの記』(日本実業出版社)があります。後藤氏は、松下電器の創業期に見習工として入社し、松下幸之助(まつしたこうのすけ)氏と三洋電機の創業経営者である故井植歳男(いのうえとしお)氏の2大経営者から指導を受け、第1級の経営者となった人です。
その序文の中で、松下幸之助氏は、「後藤清一君が松下電器に入社されたのは、ちょうどそうした創業まもないころであった。もちろん、ご多分にもれず、後藤君は私に叱られた1人であった。というよりも、他の誰よりもよく叱られたほうであるかもしれない。しかしそれは結局、後藤君が、それだけ若くして優秀であり、何ごとにも真剣で私が期待をかけていたからでもあった」「こうしたことを考えてみると、後藤君は、叱り叱られるということの本当の大切さを熟知している人ではなかったかとつくづく思う」と記しています。
本書のあとがきで、著者自身は「運命は与えられるものではなく自分自らが築きあげるものである。このことを特筆大書しておきたい」「私の人生ではなお『叱り叱られの記』は続いていくだろう。あるときは“神”に、あるときは“絶対真理”に、またあるときは“人間愛”というものに叱られてゆく。──まだまだ、である」と記しています。
このような謙虚な、ひたむきな心が、後藤氏を今日の立派なところまで高めていったのではないでしょうか。
注 )
このエピソードは、月刊誌『ニューモラル』で掲載された原文のままに掲載しております。
『ニューモラル』no.128 80.4.1発行号より
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