チベット亡命政府首相ロブサン・センゲ氏による特別講演会を開催

ロブサン・センゲ氏 チベット亡命政府首相

平成30年2月18日(日)、廣池千九郎記念講堂において、チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相による特別講演会を開催しました。講演テーマは「チベットの悲劇と未来」。チベット問題に関心を持つ約300名が参集しました。

講演に先立ち、廣池幹堂・モラロジー研究所理事長は、「学園創設以来の特別なゲスト、チベット亡命政府の首相をお迎えしました。国家消滅という困難の中で、宗教的指導者であるダライ・ラマ14世と共に、政治的指導力を発揮されてきたロブサン・センゲ首相。そのご講演を通して、“国家”とは何か、国が無くなるとはどういうことなのかについて、深く考えていただきたい」と開催の趣旨を述べました。続いて、櫻井よしこ・国家基本問題研究所理事長が「中国政府の弾圧と拡大主義はチベットを席巻しており、また世界にも広がりつつある。その動きを止めようとしているのが、ダライ・ラマ14世であり、ロブサン・センゲ首相である」と、チベットの現状とセンゲ首相を紹介されました。

壇上に立たれたセンゲ首相は、まず講演の機会を得たことに謝辞を述べられた後、以下のように訴えられました。

「中国政府は世界の『中国化』を狙っており、チベットに行ったような圧政は、他の国にも起こり得ます。1959年のチベット民族蜂起から約60年が経ちましたが、当初はチベット人の声に誰も耳を傾けてくれませんでした。私は首相に就任して7年が過ぎ、就任以来、声を上げてきました。最近になって多くの国が少しずつ私の声を聞いてくれるようになってきました。
中国は経済を背景に、近隣諸国はもちろん、世界中の国々に触手を伸ばしています。例えば、オーストラリア。経済的理由によりオーストラリアは多数の中国人移民を受け入れましたが、その影響が経済だけにとどまらず、教育や文化、道徳面にも及んでいきました。それにようやく気づいたオーストラリア政府は、中国から距離をおきつつあります。経済よりも道徳を優先したのでしょう。同様の問題は、デンマークやノルウェー、スウェーデンなど、ヨーロッパの国々でも起きています。中国はいろいろな宣伝工作を行っていますが、本当の中国を知るためには、チベットの歴史について注目する必要があります。
中国の圧政のため、チベットにはチベット民族の自由がありません。しかし、それはあまり知られていない。なぜかというと、チベットのことを知ろうとすると中国がそれを阻害しようとするからです。実際、現在のところ、ジャーナリストは北朝鮮に入国するよりも、チベットに入ることのほうが難しいのです」

センゲ首相は、
「中国により、チベットの仏教は壊滅に近いダメージを受けました。しかし、私たちチベット人はわずかに残った僧侶や世界の後押しによって仏教を中国に広めています。仏教は、今、中国で栄え、3億から4億人の仏教徒が中国にいます。宗教を否定する中国は、世界で最も仏教徒が多い国となったのです。
中国がいかに私の行く道を阻もうとも、私は正しき道をまっすぐに進んでいきます」
と力強く述べ、講演を結ばれました。

会場はほぼ満席に
センゲ首相を囲んで。右は櫻井よしこ氏
事前学習としてパネル展示。チベットの現実が多くの人の前に