第2回 道徳授業指導力向上講座を開催

6月25日(日)、麗澤大学生涯教育プラザホールにおいて、第2回道徳授業指導力向上講座を開催しました。講師は第1回目に引き続いて、広中忠昭講師(麗澤大学講師・元柏市立藤心小学校長)が担当、「『体験的な道徳授業』の指導案作成と展開のポイント」をテーマに行いました。

冒頭では、前回、参加者に指導案づくりのために示した教材「知らない間の出来事」(『私たちの道徳』小学校5、6年)について、自ら作成した指導案を紹介。始めに子供たちにテーマを提示したうえで、資料の読み込み→子供たちへの問いかけを通して課題を焦点化→例話の場面を考えての役割演技→学び取ってほしい価値の提示・子供たちそれぞれのまとめ、といった展開の流れを説明しました。

続いて、パワーポイントを用いて、体験的な道徳授業の基本について紹介。体験的な学習の特徴、道徳的行為の体験的な学習等を取り入れる工夫(動作化と役割演技の違い)、特別活動等の多様な実践活動等を生かす工夫について説明しました。

次に、文部科学省の「道徳教育アーカイブ」(※1)に掲載されている、「お月さまとコロ」(『私たちの道徳』小学校2年 ※2)を題材にして演習を実施。テーマの考え方や登場人物の心情について、模擬授業的に質問を投げかけ、参加者とともに考えていきます。そして、アーカイブの資料で役割演技を行うように示す場面では、その内容を紹介したうえで、「深い学びとするためには、子供たちが演じてみてどう感じたのかをしっかりと言語化していくことが重要」と指摘します。さらに「アーカイブに載っている資料を上手にアレンジすることですごくよい授業になると思う」とも語りました。

後半は小学5年生向けの教材「くずれ落ちただんボール箱」を用いて、参加者がグループで話し合い、指導案を作成。(お店で孫がくずしただんボール箱が散らかり困っていた)おばあさんに親切にした主人公たちが、勘違いした店員に叱られている場面での役割演技がいくつかのグループより示されました。参加者たちの案を丁寧に聞いたうえで、広中講師は最後に、それらとは違った視点からの案を披露。主人公たちが叱られているときに周りの人たちはどうすべきか、という場面に着眼しての役割演技を示します。

「だんボールのそばにいた人たちは、それぞれ主体的に役割が果たせたはず。だが、そうした場面に遭遇してしまうと、なかなかうまく行動できず、その状況に負けてしまうことがある。でも、そうならない自分をつくるために、しっかりと考えていきたい。よい社会をつくっていくためには、みんながやれることをし、よい友だち関係を築いていかなければいけない。いじめで大きな問題となるのは傍観者の存在。傍観者をいかに変えていくか、そういうことを考える意味でもこの場面を演じるのは重要だと思った」と語りました。

道徳の教材はもちろん、さまざまな学校行事を通して体験的な道徳授業ができること、またその指導案作成や展開のポイントを学んだ参加者の皆さん。「たいへん参考になる講座だった」「すぐに道徳の授業に取り入れたい」という声が寄せられました。

※1 「道徳教育アーカイブ」

※2 「お月さまとコロ」の指導案

<「お月さまとコロ」のあらすじ>
主人公のこおろぎのコロが、たった一人の友だちのギロを自分のわがままで怒らせてしまい、あやまりたいと思うが、なかなか素直になれずに暗い表情になっていく中、お月さまとかかわることで素直な気持ちの大切さに気づかされていく。

<「くずれ落ちただんボール箱」のあらすじ>
ショッピングセンターで、孫が崩しただんボール箱の山を前に困っているおばあさんを見て、「わたし」と友子は手伝いをすると言い、代わりに整理をしていた。すると、事情を知らない店員がやってきて、2人を責めた。わたしたちは何も悪いことをしていないのに、と心にわだかまりを抱えた2人だったが、後日行われた3学期の始業式での校長先生のあいさつで、店員からお詫びの手紙が来ていることを知らされ、明るい気持ちになった。

広中忠昭講師
ディスカッション
演習のようす

<講座のようすと参加者の声>